電子帳簿保存法の検索要件とは?重要な3項目と索引簿の作り方をやさしく解説

「電子取引のデータは検索できる状態で保存」と言われても、何をどこまでやればいいのか分かりにくいですよね。経理と総務を兼務していると、調べる時間を捻出するだけでも一苦労です。この記事では、AI OCR開発元の編集部が、電帳法(電子帳簿保存法)の検索要件と自社でできる対応方法を整理します。

この記事でわかること

  • 電子帳簿保存法の検索要件で求められる3つの項目
  • 検索要件が不要になる条件(売上高5,000万円以下など)
  • Excel索引簿・ファイル名・AI OCRでの具体的な対応方法

結論から先に:電子帳簿保存法の検索要件とは、電子取引データを「取引年月日・取引金額・取引先」で検索できる状態で保存する義務です。専用システムがなくても、Excelの索引簿か規則的なファイル名で対応できます。売上高5,000万円以下の事業者には免除の条件もあります。

目次

電子帳簿保存法の検索要件とは?3つの項目を確認

電子帳簿保存法の検索要件とは、電子取引データを「取引年月日・取引金額・取引先」の3項目で検索できる状態で保存する義務です(国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」)。

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律です。2024年1月からは、メール添付のPDF請求書など「電子取引」データの電子保存が全事業者に義務化されています。

検索要件として原則求められる機能は、次の3つです。

  1. 取引年月日・取引金額・取引先で検索できること
  2. 日付または金額の範囲を指定して検索できること
  3. 2つ以上の任意の項目を組み合わせて検索できること

出典は国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)」です。税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、②と③は不要になります。実務でまず押さえるべきは、①の3項目。

電子帳簿保存法の検索要件で求められる取引年月日・取引金額・取引先の3項目を整理した図解

なお、検索要件は電子取引だけでなく、紙の書類をスキャンして保存する「スキャナ保存」でも同様に求められます。保存要件の全体像は電子帳簿保存法の概要と保存要件の解説記事で確認してください。

相談者

うちのような中小企業も、全部やらないとダメなんでしょうか?

AI JIMY Labo

売上規模などによる免除・猶予の仕組みがあります。自社が当てはまるか、次の章で確認しましょう。

検索要件が不要になるのはどんな場合?【緩和措置と猶予措置】

国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和7年6月)によると、基準期間(原則2年前の事業年度)の売上高が5,000万円以下の事業者は、ダウンロードの求めに応じられれば検索要件のすべてが不要です。

この基準は、令和5年度税制改正で売上高1,000万円以下から5,000万円以下へ引き上げられました(財務省「ファイナンス 令和6年8月号」)。改正前の情報のままの記事もあるため、注意してください。免除・猶予の条件を表に整理します。

スクロールできます
措置条件免除される内容
一部緩和税務調査でデータのダウンロードの求めに応じられる範囲指定・組み合わせ検索(②③)
全部免除基準期間の売上高5,000万円以下+ダウンロード対応検索要件のすべて
全部免除出力した書面を日付・取引先ごとに整理して提示できる+ダウンロード対応検索要件のすべて
猶予措置対応できない相当の理由がある+ダウンロードと書面提示に対応検索要件を含む保存要件

猶予措置に当てはまる場合でも、電子取引データそのものの保存は必要です。「紙に印刷したから元データは削除してよい」とは認められません。

免除に当てはまらない会社は、次章の方法で検索要件を満たしていきます。ただ、ファイル名付与や索引簿づくりの手作業は、正直かなりの負担。読み取りからファイル名付与まで自動化できるAI JIMY Paperbotは無料で試せます。まずは自社の請求書で確かめてみてください。

検索要件を自社システムで満たす3つの方法

電子帳簿保存法の検索要件は、専用の会計システムを導入しなくても自社の工夫で満たせます。選択肢は「Excelの索引簿」「規則的なファイル名」「検索機能のある保存システム」の3つです。書類の量に合わせて選んでいきましょう。

方法①Excelで索引簿を作成する

書類の量が少ない会社に向いているのが、索引簿方式です。

索引簿とは

索引簿とは、保存した電子データの連番・取引年月日・取引金額・取引先を一覧にまとめた管理表です。国税庁も検索の代替手段として索引簿の作成例を公開しています。

Excelのフィルタ機能を使えば、3項目の検索も日付・金額の範囲指定もできます。ファイル名には索引簿と対応する連番を付け、「1_国税商店_領収書」のように保存する運用です。

弱点も正直にお伝えすると、書類が増えるほど入力の手間が膨らみ、連番の付け忘れも起きやすくなります。台帳の具体的な作り方は、無料テンプレート付きの次の記事を参考にしてください。

方法②ファイル名に取引情報を入れる

「20260115_株式会社国税商店_110000.pdf」のように、ファイル名へ取引年月日・取引先・取引金額を入れる方法です。索引簿を別に作らなくても、フォルダの検索バーで3項目の検索ができます。

ただし、開発元として実際にWindowsで検証してみました。検索バーで日付の範囲指定はできますが、金額の範囲指定は正しく絞り込めません。日付の数字まで金額として拾ってしまうためです。

たとえば、上記のようにファイルが並んでいて「2022年1月31日以降、2022年2月15日まで」のファイルを探したい場合は、「名前: >20220131 AND 名前 : <20220215」と検索バーに入れると該当するファイルを表示することができます。

しかし、Windowsの検索バーでは金額の範囲指定ができません。日付としている個所はあくまで数字であり、50,000円以上の書類を検索したいとしても、日付部分の数字が大きいためすべて選択されてしまいます。

ダウンロードの求めに応じられる体制とセットで運用してください。ファイル名の具体的な付け方や一括変更のテクニックは、電子帳簿保存法に対応したファイル名付与の解説記事で詳しく紹介しています。

方法③検索機能を備えたシステムで保存する

書類が月に数百枚を超える会社は、電子帳簿保存法対応をうたう文書管理・会計システムが確実です。JIIMA認証とは、市販ソフトが法の要件を満たすかを公益社団法人が確認する認証制度です。選定の目安になります。定額制か従量課金かで年間コストが変わる点も確認ポイント。

どの方法を選ぶ場合も、対応の進め方は共通です。次の4ステップで整理してください。

STEP
電子取引を洗い出す

メール添付の請求書、Web明細、電子受信したFAXなど、データでやり取りしている書類を一覧にします。

STEP
保存方法を決める

書類の量と体制に合わせて、索引簿・ファイル名・システムのどれで検索要件を満たすか決めます。

STEP
改ざん防止措置を整える

タイムスタンプ(改ざんがないことを証明する時刻記録)の付与、訂正削除の履歴が残るシステム、事務処理規程の策定のいずれかで真実性を確保します。

STEP
運用して点検する

決めたルールどおり保存されているか月次で確認します。付け忘れは起きる前提で、点検日を決めておくと安心です。

索引簿やファイル名の作成はAI OCRで自動化できる?

AI OCRを使えば、紙の請求書の読み取りから電子帳簿保存法に対応したファイル名の自動付与まで、手作業なしで進められます。AI OCRとは、AIの学習機能で認識精度を高めた文字認識技術のことです。

導入の相談を受けていると、Excelで作った帳票を印刷してOCRで読み直そうとするケースに時々出会います。元データがデジタルにあるなら、紙を読むのは遠回りです。電子取引データも同じで、データのまま保存するのが大原則です。OCRが活きるのは、紙で受け取った請求書をスキャナ保存し、ファイル名を整える場面です。

創業44年のシー・システムが開発するAI JIMY Paperbotは、電子帳簿保存法に沿ったファイル名への自動変換(リネーム)に対応しています。読み取った取引日・取引先・金額を、そのままファイル名に使える仕組みです。システム入力まで1つで完結し、料金は年間予算が立てやすい定額制です。

AI OCRで紙の請求書を読み取り電子帳簿保存法の検索要件に対応したファイル名を自動付与する流れ

第三者評価では、ITreview Grid Award 2026 SpringでAI JIMY PaperbotがOCRソフト部門の最高評価「Leader」を受賞しています(出典:PR TIMES・2026年4月15日)。

一方で、サポートの現場でよく受けるのが「OCRを入れれば全部自動になりますよね?」という質問です。実際には読み取り後に表記ゆれの修正などの後処理があり、最終的には人の目でのチェックも残ります。ここを正直にお伝えするのが、開発元としての流儀です。電帳法対応での具体的な使い方は電子帳簿保存法におけるAI OCRの利用事例の記事にまとめています。

経営視点のポイントは?制度対応を業務改善の投資に変える

検索要件への対応は、単なる義務ではなく、書類探しと手入力を減らす業務改善への投資として設計すると費用対効果を測れます。

実際にAI JIMYを導入した住化農業資材では、請求書処理を中心に対象業務の7割を削減しています(出典:AI JIMY導入事例・住化農業資材)。ファイル名付与や転記の時間が減れば、制度対応のコストは回収に向かいます。

制度面のメリットも判断材料になります。税制優遇のあるDX認定事業者の解説記事や、AI導入に活用できる補助金の紹介記事も参考にしてください。条件は年度ごとに変わるため、最新の公式情報の確認が前提です。

担当者の立場なら「電帳法対応を機に手入力も減らせる」と提案してみてください。効果とセットなら社内の稟議も通りやすくなります。

電子帳簿保存法の検索要件に関するよくある質問

電子帳簿保存法の検索まわりで、実際によく検索されている疑問にまとめて答えます。

電子帳簿保存法における検索要件とは何ですか?

電子取引データを「取引年月日・取引金額・取引先」で検索できる状態で保存する義務です。原則は範囲指定や項目の組み合わせ検索も求められます。ただし税務調査でデータのダウンロードに応じられれば、範囲指定などは不要です。

電子帳簿保存法で検索要件が不要になるのはどんな場合ですか?

基準期間の売上高が5,000万円以下なら、ダウンロードの求めに応じることを条件に検索要件のすべてが不要です。出力した書面を日付・取引先ごとに整理して提示できる場合も同様です(国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」)。

索引簿とは何ですか?

索引簿とは、保存した電子データの連番・取引年月日・取引金額・取引先を一覧にした管理表です。Excelで作成し、ファイル名の連番と対応させることで、電子帳簿保存法の検索要件を満たせます。国税庁も作成例を公開しています。

検索要件を満たしていないとどうなりますか?

保存義務の違反が続くと、青色申告の承認取消しなどの対象になり得ます。ただし直ちに処分されるわけではなく、対応が難しい相当の理由がある場合の猶予措置も設けられています。放置せず、できる方法から順に整えてください。

検索要件は個人事業主にも適用されますか?

適用されます。電子取引データの保存義務は、法人・個人事業主を問わず全事業者が対象です。基準期間の売上高が5,000万円以下であれば、ダウンロードの求めに応じることを条件に検索要件は不要になります。

保存ファイル名の付け方に決まりはありますか?

法令上、形式の指定はありません。「20260115_株式会社〇〇_110000」のように取引年月日・取引先・取引金額が分かる規則性があれば対応できます。AI OCRのリネーム機能で自動付与する方法も選べます。

まとめ:検索要件は3項目。緩和条件の確認から始めましょう

電子帳簿保存法の検索要件は「取引年月日・取引金額・取引先」の3項目が土台です。要点を整理します。

  • 検索要件の基本は3項目。範囲指定・組み合わせはダウンロード対応で緩和
  • 売上高5,000万円以下などの条件に当てはまれば検索要件は不要
  • 専用システムがなくてもExcel索引簿や規則的なファイル名で対応できる
  • 手作業が負担なら、AI OCRでファイル名付与から自動化できる

次の一手は、①電子取引の洗い出し、②免除・猶予の該当確認、③保存方法の決定、の3つです。ファイル整理に追われる時間が減れば、その分を本来の仕事に使えます。制度対応を、働き方を軽くするきっかけにしてください。

社内での検討や上司への説明には、機能がひと目で分かる資料が役立ちます。

この記事を書いた人

AI JIMY Labo 編集部
(AI JIMY開発元・シー・システム株式会社)

創業44年、バックオフィスの現状に伴走してきた知見をもとに、 AI OCR・業務自動化の実践情報をお届けします。

運営会社情報

シー・システム株式会社


  • 創業44年
  • Pマーク取得
  • RPAによる業務自動化
  • AI OCRメーカー
広告バナー。大きな青字で「検索要件は3つだけ」と表示され、書類・Excelアイコン・ファイルフォルダと人物が描かれたイラスト。AI JIMY Laboのロゴ入り。

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