2022年1月1日より、施行される改正電子帳簿保存法において、電子取引データの検索要件をクリアするために、さまざまなツールを検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし、そこまで書類が多くないのに新たにツールを導入するのは、予算的に難しいと考えている企業も多いかと思います。電子取引データについては、Excelで作成した台帳でも有効だということをご存じでしょうか。この記事では、Excelでできる電子取引データの台帳作成方法について紹介します。
そもそも電子取引データとは？
電子取引データとは、請求書や領収書、契約書や見積書など電子メールやクラウドサービスで発行された電子データのことを言います。
従来では、電子取引データをプリントアウトして保存しておくことが認められていました。しかし、2024年1月から電子取引データは、一定の要件を満たした状態で電子データとして保存しなければなりません。
保存要件と台帳の役割
では、どのような保存要件なのか見てみましょう。
電子取引データを保存する際には、取引年月日・取引金額・取引先の項目で検索できる状態にしておく必要があります。この要件を満たす方法としては、以下の方法があります。
- 検索機能に対応した専用ソフトを使用する
- ファイル名を「取引年月日」_「取引先」_「取引金額」などにしてデータを保存する
- Excel等の表計算ソフトで索引簿を作成し、保存したファイルと関係づける
専用ソフト以外にも、上記の要件さえ満たしておけば電子帳簿保存法を満たすため、既存のソフトを利用して作成しても良いということです。たとえば、Excelで台帳を作成しても問題ありません。
Excel台帳の作り方
基本的には授受した電子取引データの「取引年月日」「取引金額」「取引先」をExcelに記入していきます。また、保存したファイルと関係づける必要あります。
例えば、次のような台帳を作成することになります。
あくまで一例ですが、「取引年月日」「取引金額」「取引先」でそれぞれ列を作って値を入れておけば、検索できる状態になります。電子帳簿保存法の電子取引データの保存要件を満たしているといえます。
保存したファイルと台帳を結び付けるために連番（No）を振っておき、ファイル名にも同様に入れておくと素早く見つけやすくなり、利便性が上がるでしょう。もしくは、保存先のファイルパスを記載しておくといいでしょう。Excelのハイパーリンクの機能を利用することで、記載したファイルパスをクリックするだけで直接ファイルを開けるようになります。
検索する際は、Excelのフィルター機能を使います。
タイトルのセル内に表示されている「▼」ボタンをクリックすることで、特定のデータを検索することができます。Excel台帳の場合は範囲指定で検索もできるため、便利です。
Excel台帳のテンプレートを無料でダウンロード
Excel台帳のテンプレートを下記から無料でダウンロードできます。参考にしてください。
手間をかけずに自動でExcel台帳に記入する方法（自動化ツール）
手で電子取引データをExcel台帳に入力する場合、数十件程度であればそれほど時間も取られませんが、何百件以上の処理があると話は変わってきます。
人間が入力する手間は例えば下記のような時間が発生してきます。
30 秒/枚 × 1200枚 ⇒ 10時間（36000 秒） （参考値）
さらに、人間が行うと、時間がかかることはもちろん、入力ミスや入力漏れが発生する可能性も大きくなり、非効率的です。このような場合は、データ入力の自動化ツールを導入すると運用が楽になります。
ここでは、データ入力自動化ツール「AI JIMY Paperbot」をご紹介します。
このツールはFAXやメールなどで受領したPDF（電子データ）を自動で識別し、取引先名や日付など必要な項目の文字認識を行うことができます。また、認識した文字を利用し、自動でファイル名をリネームし、PDFファイルを任意の場所へ保存します。さらに、Excel台帳に認識した文字を自動で記入できます。
例えば、データ入力自動化ツールであるAI JIMY Paperbotで上記の見積書を処理します。
背景が赤くなっている領域をAI JIMY Paperbotが自動でデータ化します。また、複数の異なるレイアウトであっても対応しています。
AI JIMY Paperbotを実行するだけで、ファイルの取込みからExcel台帳の入力まで自動で終わらせることが可能です。
AI JIMY Paperbotは下記リンクから無料で試してみることができますので、Excel台帳の自動入力も是非試してみてください。詳しい使い方もお問い合わせからお伝えしています。
AI JIMY Paperbotを利用するメリット
誰でもカンタンに使用可能
AI JIMY Paperbotは特別な技術知識は不要で、マウスだけの直感的な操作が可能です。RPAツールとの連携や専門知識が必要なAPIなどの開発作業は必要ありません。
ひとつのツールで完結
画像の取り込みから取引先ごとの仕分け、手書き文字の認識、テキストデータの出力、業務システムへのデータ入力まで、一連の作業をAI JIMY Paperbotひとつで自動化できます。
自動でファイル名を変換
1クリックでリアルタイム処理を行い、任意で電子帳簿保存法の改正にも対応したファイル名に自動で変換可能です。
AI類似変換で文字認識が向上
日本語の認識は、手書きも含めてかなり高い精度で変換できます。間違いやすい商品名などの固有名詞は、あらかじめAI JIMY Paperbotに登録しておくことでさらに認識率が向上します。
多様な業務で活用
さまざまな業務で使用が可能です。FAXの受注入力、請求書の集計、手書きアンケートや申込書のデータ入力、作業日報のデジタルデータ化など多岐にわたる業務プロセスをサポートします。
最新情報を確認ください
この記事の作成タイミングによっては、最新情報に反映できていないこともあります。
あくまで事務処理規定は国税庁のページを参考に作成してください。
下記リンクから確認することができます。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm
まとめ
2024年1月から「改正電子帳簿保存法」の対応が必須になり経理業務の変化は大きいものになるでしょう。今回は、そのうちの「電子帳簿保存法」の対応方法の一つとして、身近にあるExcelを使う方法を紹介しました。また、Excel台帳を利用する場合もデータ入力自動化ツールを利用することで、自動化させることも可能です。2024年1月までにしっかりと準備しておき、なるべくスムーズに対応できるようにしておきましょう。
