
スマートフォンが普及し、今や国民の9割が所持しています。性能もどんどん高くなり、これまではPCでしかできなかった作業がスマートフォンでもできるようになっています。外出時に調べ物や記録など気軽にできる点も便利です。また足りない機能は、さまざまなアプリを入れることで対応ができます。さまざまなアプリの中でも、今回は画像中の文字をデータ化してメールで送ったり、加工したりできるOCRアプリに注目します。
スマホで利用できるOCRアプリとは?
OCRは、写真などの画像内にある文字をコピペや修正できるようにデータ化する機能、Optical Character Recognition(光学的文字認識)の略です。OCRアプリというよりは、スキャンアプリといったほうが耳なじみがあるのではないでしょうか。
単純にスマホで写真を撮るだけでは、歪んでしまったり影ができたりしてしまうのですが、スキャンアプリで撮影すれば画面の歪みや影の修正も行います。スキャンアプリにOCR機能が付いていれば、撮影した写真から文字をデータ化することが可能です。
少し前まではそういった作業は、スキャナーと呼ばれる機器を取り付けPCを介してデータを変換していたため、作業する場所が限られていました。スマホアプリが登場してからは、外出中でも気軽にデータ化が可能になり事務所に帰ってからの作業も軽減させることができます。
使い方次第というところもありますが、スマホとPCで行うことを分けることでかなり便利に使えるのではないでしょうか。
用途に合わせたOCRアプリの選び方とポイント
OCRアプリは有料無料含めて、さまざまな企業や個人から数多く提供されています。口コミやレビューの良いものから選んで使用してもいいですが、それだけでは足りない機能や逆に機能が多すぎてわかりづらいといったことになりかねません。ここからは用途に合わせた選び方やポイントを紹介します。
認識方法の違いを理解して選ぶ
アプリによって文字をデータ化する方法が違い、自動認識と手動認識があります。自動認識は、そのアプリを通して写真を撮ったり画像を選択したりすれば、自動で文字をテキストデータ化してくれるので検索する場合も便利です。また大量の写真にも対応しやすいでしょう。だから自動認識が良いとも限りません。
自動認識の場合は画像全体にある文字を認識してしまうため、不要な個所もデータにしてしまう場合があります。画像の一部のみを認識したい場合は、選択が可能な手動認識がおススメです。手動認識は読み取りたい個所を選択するので、読取精度も高くなります。正確にテキストデータを取り出したいというときは、手動認識のほうが良いでしょう。ただし、自動認識と比べて手間がかかるので注意が必要です。
どのような保存形式に対応しているか
アプリによっては、そのアプリを通している時だけ文字をデータとして抽出できたり、画像でしか保存できなかったりするものもあります。一般的な画像形式に保存できるのか、PDFの保存には対応しているのかなどもチェックしておきましょう。
中にはマイクロソフトオフィスWordの変換に対応したものもあります。そのほか、クラウドサービスと連携し保存が可能なアプリもあるので、アプリで取り込んだ後の使用方法も考えて選ぶことをおススメします。
そのほかの便利機能もチェック
スキャンとOCR機能のほかにも、どのような機能があるのかチェックしておきましょう。たとえば、複数枚の書類をスキャンしテキストをデータ化していく場合、アプリによっては1枚ずつ保存するしかないことがあります。同時に複数ページにわたる書類が作りたい場合は、ファイルの結合機能があると便利です。外出先で参考資料を読み取り事務所に急ぎで送りたいとき、1枚ずつメールにつけるのではなく1つのファイルとして送れます。
名刺管理付きアプリなどは、名刺を読み取った際に会社名や住所、氏名、電話番号などの連絡先をデータベースに自動で入力し、社内で共有できるといった機能もあります。
スマホで利用できるおすすめのOCRアプリ5選
Adobe Scan
書類や名刺、ホワイトボードの内容などもキャプチャしてPDFに変換が可能です。自動境界線検出機能により、書類とバック(背景)を分別、修正できます。AIも利用しているため、遠近補正や不要な影の除去も行いより鮮明なスキャンができるようなっています。また、電話番号やメールアドレスも認識できるので、名刺を読み取りすぐに連絡するといったことも可能です。
CamScanner
スマホのスキャン画質に定評があるアプリ。スキャン画質が悪い画像は読込精度が低くなることが多いが、高画質での読込みを実現することで認識精度を高めています。画像やPDFのほか、WordやExcel、PowerPointといったビジネスファイルに変換ができるため、すぐに文書を編集して報告書や企画書として提出することも可能です。
Evernote
メモアプリとしても有名なEvernoteには、スキャン機能も付いています。名刺や書類をスキャンしておけば、自動で文字をデータ化し、検索する際もキーワードで探せます。各ユーザーごとに保管容量が割り当てられていて、書類はすべてネットワーク上に保存。アカウントさえわかっていれば、さまざまな端末から書類を閲覧可能です。
FineScanner
スマホでスキャンした書類をデータ化するだけでなく、AIによりA4文書や本、名刺のようにドキュメントタイプに合わせてフォルダに自動で整理してくれます。またAR(拡張現実)を利用して、元の文書サイズを確認することも可能。画像内のキーワードでテキスト検索も行えます。スキャン時に3つの言語を選択できるため、日本語や英語の混じった文書も適切に処理できる多機能タイプのOCRアプリです。
Genius Scan
スキャン画像を自動でアプリが認識し、読みやすいサイズに切り取ってくれます。複数ページにわたるPDFの変換やテキストデータ化が可能です。Google DriveやiCloudといった主要クラウドサービスにも対応しているので、文書の保存や共有もカンタン。PDFにはパスワードを付与できるため、ビジネス利用におススメです。
本格的にビジネスに導入したい場合はPCアプリ
スマホではあくまで簡易的なデータ化に過ぎません。社内文書や大量のデータを扱う場合は、PC用アプリをおススメします。特にOCRを初めて検討する方や少ない予算で始めたい方はAI JIMY Paperbotが◎手書き文字にも対応できるAI OCRを使用しているうえに、出力結果を別ファイルやソフトへ自動入力ができるRPAも実装しています。無料トライアルも行っているので、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。

まとめ
スマホで利用できるOCRアプリを紹介しました。OCR単体で使用するというよりは、さまざまなサービスと併用して開発されていることがうかがえます。またITの発展によりAI機能と連携したアプリも増え、使用するほど便利になっていきます。PCに比べてできることはまだ少ないほうですが、急なデータ化や個人の領収書や名刺整理に利用するなどさまざまなシーンで役立つでしょう。アプリによっては、データ移行が大変になるものもあるので、どういった場面で今後もどれくらいの期間、利用するかを考えて選んでみてください。