
オフィス内のデジタル化を進めるにあたって、紙書類の保存にも対応したいと考えている企業は多いのではないでしょうか。しかし画像のみの保存だけでは、探す際に1枚ずつ確認していかなければならないので大変です。画像内にある文字をパソコンで認識できるようにするには、OCRという機能が必要です。少数の変換であれば、フリーのOCRを試してみて使い勝手を確認してみるのも良いでしょう。この記事では、フリーで使用できるOCRを6つ紹介します。
OCRの機能とは?
OCRは、Optical character recognition(光学文字認識技術)の略です。文字が書かれた画像を読み取って分析し、パソコンなどで使用できるデータとして出力します。データ化した文字は、作成している文書に引用したり文字列検索も可能です。これまでは、目視で確認する必要があった文書も瞬時に探せます。
日本語はひらがなやカタカナ、漢字を含めて多くの文字を照らし合わせる必要があるため、少し前までOCRはあまり精度の良いものではありませんでした。最近ではAIの進歩により日本語の対応も良くなりつつあり、業務改善に一役買っています。
OCRの導入メリットとは
OCRはAI技術を利用し、文字解析の精度が飛躍的に上昇しています。AIを取り入れる前のOCRと比較した記事があるので、下記も合わせて読んでみてください。

OCRを業務に利用することで得られる主なメリットは以下のとおりです。
- 効率的なデータ管理
- コスト削減
- 高速な情報検索
- データの正確性
- 環境への配慮
内容を詳しく見てきましょう。
効率的なデータ管理
紙ベースの文書をデジタル化することで、データベースの構築や検索が容易になり、情報の取得や管理が効率的に行えるようになります。
コスト削減
人手によるデータ入力や文書の保管にかかるコストを大幅に削減できます。特に大量の文書を取り扱う企業にとっては、コストの削減効果は大きいでしょう。
高速な情報検索
デジタル化された文書は、キーワード検索などを利用して瞬時に必要な情報を取得することができます。特にこれからは電子帳簿保存法の改定に合わせ、事業にかかわる資料は素早く検索できなければなりません。
データの正確性
AI OCRは技術の進化により、日本語の認識精度が向上しています。これにより、データの正確性が高くなって業務の品質も向上します。
環境への配慮
紙ベースの文書の使用を減少させることで、環境への負荷を軽減できます。また紙書類が占有していたオフィススペースを縮小することも可能です。
まずは試したい方向け!無料で使えるAI OCRおすすめ6選
業務にガッツリ導入するには心配ですが、少量の文書をデータ化したい程度であればOCRのフリーソフトを試してみてはいかがでしょうか。セキュリティの不安もあるので機密文書には向きませんが、一般的な文書をカンタンにOCRでデータ化したいならおススメです。
今回は下記のOCRソフトを6つご紹介します。
- Microsoft OneNote
- LightPDF
- To-Text OCR Converter
- NewOCR.com
- Renee PDF Aide
- AI JIMY Paperbot
Microsoft OneNote
Microsoftが提供しているアプリOneNoteは、OCRもサポートしているので画像データ内の文字をデータ化して利用することができます。複数ページにわたるファイルにも対応しているので、大量にデータ化したい方も使いやすいのではないでしょうか。

上記の画像は実際に文章を画像として貼り付け、OneNote上でテキストデータに変換しました。OCRの精度として多少確認して修正しないといけない点はあるものの、この程度の文字数であればストレスなく貼り付けでテキスト化が可能です。
LightPDF

LightPDFは、PDFの分割・結合・修正といった編集やほかのファイル形式にオンライン上で変換できるサービスです。OCR機能も備えているので、選択できないPDF上の文字をデータ化することができます。
無料版では1日の読取回数や認識精度に制限があるので、注意が必要です。よりOCR精度の良いデータが欲しい、複数ページの処理がしたい方は有料版を検討してみてください。
To-Text OCR Converter

画像として取り込んだデータやPDFをテキストデータとして出力して編集できるようにするオンラインサービス。こちらも無料でOCRを使用することが可能です。画像ファイルはBMPやTIFFにも対応しています。無料で使える分、広告が出るので画面が少しにぎやかです。海外のサービスのため、OCRの解析精度はあまり高くないように思います。セキュリティ面に不安があるものの枚数制限がなく、無料でテキストデータを抽出できる点では魅力的なOCRサービスです。
NewOCR.com

JPEGはもちろんGIFやBMP、PDFといったファイル形式の文字データをtextに出力してくれるWebサービスです。無料のサービスですが、日本語活字のOCR認識精度はかなり高めです。広告が入り、紛らわしいものが出てくるのでクリックに注意してください。アップロードファイルの制限もなく、OCR対応言語も豊富。さまざまなフォントに加えて、方程式も認識できるようです。無料版では枚数制限があり、海外を介しての利用となりますがAPIも提供しています。
Renee PDF Aide

Windowsのみとなりますが、PC上にダウンロードして使用するOCRソフトです。技術サポートが必要なければ無料で使用できます。基本的にはPDFの変換ソフトですが、OCR機能も備えているのでWordやExcelに変換してデータの修正が可能です。日本語に加えて英語、フランス語や中国語にも対応しています。また複数ファイルの一括変換も行えるので、一度試してみる価値はあるでしょう。
AI JIMY Paperbot
使用し続けるには有料となりますが、無料トライアルではStandardプランの表読取り機能や自動入力まで行えるRPA機能などが利用できます。フリーソフトでは物足りない、もっといろんなフォーマットの書類を読み込ませたいという方は一度試してみてはいかがでしょうか。チェックボックスや丸囲みといった選択式の内容も読取りが可能です。オンライン相談も行っているので、初めてOCRを利用するという方も不明な点を質問しながら利用できますよ。

AI JIMY Paperbotを利用するメリット
誰でもカンタンに使用可能
AI JIMY Paperbotは特別な技術知識は不要で、マウスだけの直感的な操作が可能です。RPAツールとの連携や専門知識が必要なAPIなどの開発作業は必要ありません。
ひとつのツールで完結
画像の取り込みから取引先ごとの仕分け、手書き文字の認識、テキストデータの出力、業務システムへのデータ入力まで、一連の作業をAI JIMY Paperbotひとつで自動化できます。
自動でファイル名を変換
1クリックでリアルタイム処理を行い、任意で電子帳簿保存法の改正にも対応したファイル名に自動で変換可能です。
AI類似変換で文字認識が向上
日本語の認識は、手書きも含めてかなり高い精度で変換できます。間違いやすい商品名などの固有名詞は、あらかじめAI JIMY Paperbotに登録しておくことでさらに認識率が向上します。
多様な業務で活用
さまざまな業務で使用が可能です。FAXの受注入力、請求書の集計、手書きアンケートや申込書のデータ入力、作業日報のデジタルデータ化など多岐にわたる業務プロセスをサポートします。
まとめ
無料で使用できるOCRサービスを紹介しました。最近ではWeb上で変換を行えるOCRサービスも増え、身近に感じている方も多いのではないでしょうか。Webサービスでは変換した文書が残ってしまって、悪用される問題も捨てきれません。まずはお試しといった形で使用してみてください。