
オフィス内のデジタル化を進めるにあたって、紙書類の保存にも対応したいと考えている企業は多いのではないでしょうか。しかし画像のみの保存だけでは、探す際に1枚ずつ確認していかなければならないので大変です。画像内にある文字をパソコンで認識できるようにするには、OCRという機能が必要です。少数の変換であれば、フリーのOCRを試してみて使い勝手を確認してみるのも良いでしょう。この記事では、フリーで使用できるOCRを5つ紹介します。
OCRの機能とは?
OCRは、Optical character recognition(光学文字認識技術)の略です。文字が書かれた画像を読み取って分析し、パソコンなどで使用できるデータとして出力します。データ化した文字は、作成している文書に引用したり文字列検索も可能です。これまでは、目視で確認する必要があった文書も瞬時に探せます。
日本語はひらがなやカタカナ、漢字を含めて多くの文字を照らし合わせる必要があるため、少し前まではあまり精度の良いものではありませんでした。最近ではAIの進歩により日本語の対応も良くなりつつあり、業務改善に一役買っています。
まずは試したい方向け!おすすめのフリーOCR
業務にガッツリ導入するには心もとないですが、少量の文書をデータ化したい程度であればフリーソフトを試してみてはいかがでしょうか。セキュリティの不安もあるので機密文書には向きませんが、一般的な文書をカンタンにデータ化したいならおススメです。
今回は下記の6つをご紹介します。
- Microsoft OneNote
- LightPDF
- To-Text OCR Converter
- NewOCR.com
- Renee PDF Aide
- AI JIMY
Microsoft OneNote
Microsoftが提供しているアプリOneNoteは、OCRもサポートしているので画像データ内の文字をデータ化して利用することができます。複数ページにわたるファイルにも対応しているので、大量にデータ化したい方も使いやすいのではないでしょうか。

上記の画像は実際に文章を画像として貼り付け、OneNote上でテキストデータに変換しました。多少確認して修正しないといけない点はあるもののこの程度の文字数であれば、ストレスなく貼り付けでテキスト化が可能です。
LightPDF

LightPDFは、PDFの分割・結合・修正といった編集やほかのファイル形式にオンライン上で変換できるサービスです。OCR機能も備えているので、選択できないPDF上の文字をデータ化することができます。
OCRサービス無料版では1日の読取回数や認識精度に制限があるので、注意が必要です。より精度の良いデータが欲しい、複数ページの処理がしたい方は有料版を検討してみてください。
To-Text OCR Converter

画像として取り込んだデータやPDFをテキストデータとして出力して編集できるようにするオンラインサービス。こちらも無料で使用することが可能です。画像ファイルはBPMやTIFFにも対応しています。無料で使える分、広告が出るので画面が少しにぎやかです。海外のサービスのため、解析精度はあまり高くないように思います。セキュリティ面に不安があるものの枚数制限がなく、無料でテキストデータを抽出できる点では魅力的なサービスです。
NewOCR.com

JPEGはもちろんGIFやBMP、PDFといったファイル形式の文字データをtextに出力してくれるWebサービスです。無料のサービスですが、日本語活字の認識精度はかなり高めです。広告が入り、紛らわしいものが出てくるのでクリックに注意してください。アップロードファイルの制限もなく、対応言語も豊富。さまざまなフォントに加えて、方程式も認識できるようです。無料版では枚数制限があり、海外を介しての利用となりますがAPIも提供しています。
Renee PDF Aide

Windowsのみとなりますが、PC上にダウンロードして使用するOCRソフトです。技術サポートが必要なければ無料で使用できます。基本的にはPDFの変換ソフトですが、OCR機能も備えているのでWordやExcelに変換してデータの修正が可能です。日本語に加えて英語、フランス語や中国語にも対応しています。また複数ファイルの一括変換も行えるので、一度試してみる価値はあるでしょう。
AI JIMY

使用し続けるには有料となりますが、無料トライアルではStandardプランの内容が利用できます。フリーソフトでは物足りない、もっといろんなフォーマットの書類を読み込ませたいという方は一度試してみてはいかがでしょうか。チェックボックスや丸囲みといった選択式の内容も読取りが可能です。オンライン相談も行っているので、初めて利用するという方も不明な点を質問しながら利用できますよ。
まとめ
無料で使用できるOCRサービスを紹介しました。最近ではWeb上で変換を行えるサービスも増え、身近に感じている方も多いのではないでしょうか。Webサービスでは変換した文書が残ってしまって、悪用される問題も捨てきれません。まずはお試しといった形で使用してみてください。