AI OCRの料金相場を解説!コストパフォーマンスで選ぶおすすめツール5選

AI OCRの料金相場を解説!コストパフォーマンスで選ぶおすすめツール5選

AI OCRは、手書きや印刷された書類を効率的にデジタル化し、業務の効率化やコスト削減を実現する強力なツールです。しかし、どのサービスを選ぶかによって、料金体系やコストパフォーマンスに大きな差が生じます。この記事では、数あるAI OCRツールの中から、料金と機能のバランスが取れたおすすめの5つのサービスを紹介し、それぞれの料金相場を解説します。導入を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

AI OCRとは?導入のメリットと注目される理由

OCRとは?

AI OCRの説明をする前に、OCRはご存じでしょうか?OCRは”Optical Character Recognition”の略で、画像に含まれている文字情報を、文字データに変換する技術を指します。例えば、こちらの画像に、文字「OCR」が含まれていますが、画像データのままでは検索などではヒットしません。

検索可能にするためには、画像の中の文字を文字データとして抽出する必要があります。
この抽出するための技術がOCRです。

では、AI OCRとはなんなんでしょうか?先頭に「AI」、つまり人工知能がついています。

画像に含まれる文字情報を、文字データに変換するには、人間の「目」のように文字をみて判断するプロセスが必要です。この「判断するプロセス」を人工知能(AI)を用いて行うのがAI OCRです。

こちらの画像、非常に汚い字ですね。……すいません、私の字です💦

人間なら「AI OCR」と読み取ってくれると思いますが、ただのOCRに読み取らせるとなると、どの文字にマッチするか判断が難しい文字があります。”I”を”1”に、”O”を”0”に誤って読み取ってしまうかもしれません。その結果、「A1 0CR」のように誤って読み取ってしまう可能性があり、これでは折角抽出した文字データを、人が修正しなければなりません。

しかし、AI OCRは、前後の文脈や設定されたフィールド情報などを活用し、かなり高い精度で文字を読み取ることができます。

AI OCRが注目される理由について

近年、デジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進められています。その中で、アナログ情報の代表格である「紙」に書かれた文字は、コンピュータで処理ができません。この紙の情報を、コンピュータで処理できるデジタルデータに変換するための技術として、AI OCRが注目を集めています。

これまで、手書きの文字を読み取るには、「人の力」が必要不可欠でした。文字を「目」で見て、「知能」で判断するのは人間だけにできることだったため、どんなに手間が掛かる作業でも人力で対応するしかなかったのです。

ところが、AI技術の急速に発展により、コンピュータが人間の目と知識に匹敵する精度を持つようになったことで、手書き文字の読み取りをAI OCRに任せることが可能になりました。

これにより、紙に書かれた情報をスキャンし、AI-OCRを使って簡単に文字データとして抽出できるようなりました。そのため、現在、多くの企業がAI OCRの導入を急いでいるのです。

AI OCRの料金体系とは?基本的なコストの内訳

これまでで、AI OCRが注目される理由についてご理解いただけたかと思います。ここでは、実際にAI OCRを導入する際に、最も気になる「コスト」について見ていきましょう。

AI OCRの料金体系は、大きく次の3つに分けられます。

  1. 導入費
  2. 月額基本料
  3. 利用料

1.導入費

クラウドサービスの場合でも、導入費は数万円から数十万円かかることがあります。社内にサーバを設置するオンプレミス型を導入する場合は、サーバ費用なども含めて何百万円に達することもあります。

導入時点では、どの程度の効果が得られるかわからないことも多いため、高額な費用をかけるのはリスクが伴います。そこで、まずは導入費の比較的安価なサービスを試してみるのが良いのではないでしょうか。

2.月額基本料

月額基本料は、毎月発生するランニングコストとなりますが、サービスやプランによって異なります。千円程度のプランから、数万円に及ぶプランまで幅広いため、プランの条件や内容をよく確認した上で、使用目的や利用頻度に合わせて最適なプランを選択することが重要です。

3.利用料

利用料は、主に読み取り回数に応じて課金される従量制となっています。フィールドごとの読み取り回数や、ページごとの読み取り回数によって料金が発生する場合があります。また、前述したサービスやプランによって単価が変動することもありますので、注意が必要です。

他に、オプションサービスの利用料が発生することもありますが、これらはサービスによって大きく異なります。詳細については、各サービスの説明をご確認ください。

AI OCRサービス料金比較:おすすめツール5選

それでは、筆者が選ぶおすすめAI OCRサービス5選の料金を比較してみましょう。

AI JIMY Paperbot

参照元<a href=httpsaijimycom>AI JIMY Paperbot公式サイト<a>
  • 導入費:無料
  • 月額基本料:3万円~18万円程度
  • 利用料:読み取る紙の枚数に応じて課金。最も安価なプランでは1,500枚/月(最大50枚/日)、追加分は100枚ごとに1万円。ただし、スタンダードプランやプロプランでは、現在キャンペーン中(2024年10月時点)につき無制限で読み取りが可能です。

AI JIMY Paper botの大きな魅力は、導入費0円でスタートできるため、気軽に始められる点です。さらに、一般的なAI OCRでは課金対象は「項目」ですが、AI JIMY Paper botでは「枚数」によって課金されます。1枚の中にどれだけ項目が含まれていても、追加料金は変わらないため、利用料を安価に抑えることができるのがポイントです。

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DX Suite

参照元DX Suite公式サイト
  • 導入費:0円~20万円
  • 月額基本料:3万円~20万円
  • 利用料:各プランに無料枠が設定されており、無料枠内であれば月額基本料のみで利用可能です。無料枠を超過した分については、別途課金が発生します。課金対象は「読み取り項目」となり、項目が空欄でも課金されます(ただし、空欄の場合は文字がある場合より安価になるプランもあります)。

DX Suiteは、項目ごとに課金されるため、項目数が多い書類を読み取る場合は、無料枠を早く使い切ってしまう可能性があります。そのため、どの程度の読み取り件数が発生するか、事前にシミュレーションを行い、最適なプランを選定することが重要です。

スマートOCR

参照元スマートOCR公式サイト
  • 導入費:10万円~(オンプレ版はサーバー費別で100万円~)
  • 月額利用料:3万円~(3ユーザー、300枚/月)
  • 利用料:1ユーザーあたり1,500円~/月

こちらのサービスも、AI JIMY Paper botと同様に、項目ごとではなく読み取った紙の枚数でカウントされる方式です。そのため、項目数が多い用紙を扱う場合でも、他のサービスと比較して安価に抑えることができます。

DX OCR

参照元DX OCR公式サイト
  • 導入費:0円~20万円
  • 月額基本料:3万円~20万円
  • 利用料:最も安価なEntryプランでは、月額基本料に1,000枚の読み込み料が含まれており、超過分については50円/枚がかかります。

DX OCRは、帳票レイアウトをAIが認識して項目を自動設定するため、一般的なAI OCRにありがちな手動での項目設定が不要です。また、オプションサービスとして、読み取り後の目視チェックを委託することもできるのが特徴です。

SmartRead

参照元SmartRead公式サイト
  • 導入費:0円
  • 月額基本料:3万円~20万円(※契約は年契約です)
  • 利用料:プランに応じて年間の読み取り枚数は1.2万枚から26万枚まで変動します。年間の読み取り上限が設定されており、例えば年間12,000枚のプランでは、通常月は500枚程度の読み取りを行い、決算期の9月と3月にはそれぞれ2,000枚読み取るとします。この場合、年間の読み取り枚数は9,000枚(500枚×10ヶ月 + 2,000枚 + 2,000枚)となり、追加料金は発生しません。この仕組みにより、非常に安価にサービスを利用できるのが特徴です。

SmartReadは、導入費用が0円から始められ、月額基本料が3万円から20万円と幅広い選択肢があります。年間の読み取り枚数に上限があり、特定の時期に利用が集中しても追加費用が発生しにくく、長期的なコスト計画が立てやすいです。また、必要に応じてプランをアップグレードできるため、コストパフォーマンスを最大限に活かせるのが魅力です。

各製品の比較表

スクロールできます
製品名AI JIMY
Paper bot
DX SuiteスマートOCRDX OCRSmartRead
導入費用無料0円~20万円10万円~(オンプレ版は100万円~)0円~20万円0円
月額基本料3万円~18万円3万円~20万円3万円~(3ユーザー、300枚/月)3万円~20万円3万円~20万円(年契約)
利用料読み取る枚数に応じて課金。
最安プランで約1,500枚/月(最大50枚/日)
読み取り項目ごとに課金。規定枠超過時は別途課金。1ユーザーあたり1,500円~/月最安プランで月1,000枚の読み込み料含む。年間の読み取り上限あり(1.2万枚~26万枚)。
特徴導入費無料。枚数ベースの料金のため、項目数にかかわらずコストを抑えやすい。
また、単月から契約が可能。
項目ごとに課金。事前のシミュレーションが重要枚数ベースで、項目数が多い場合もコストを抑えやすいAIが帳票レイアウトを自動認識。目視チェックオプションあり年間上限内での集中利用でも追加費用なし。長期コスト計画が可能。

コストパフォーマンスで選ぶAI OCRのポイント

おすすめのAI OCR 5選をコスト面で見てきましたが、気になるサービスはありましたでしょうか?
ここでは、筆者がAI OCRを選ぶ際の3つのポイントを挙げたいと思います。

1.導入費
2.読み取り精度
3.課金単位

1.導入費

AI OCRには、手書き文字や活字に適したサービスなど、それぞれ異なる特徴があります。その特徴を見極めることが重要ですが、実際に使ってみないとわからない部分も多いです。トライアルが提供されているサービスもありますが、期間が限定されていたり、機能が制限されていると、思うように試すことができません。一方、導入費が無料のサービスであれば、月額コストはかかるものの、フル機能を利用でき、自社に適しているかどうかを判断できます。そのため、まずは導入費が0円のサービスから試してみることをおすすめします。

2.読み取り精度

どのサービスも非常に高い読み取り精度を誇っており、優劣をつけるのが難しいところです。実際に読み取りを試みても、どれも正しく読み取られてしまい、結果として優劣をつけられなかったという話もよく聞きます。筆者がオススメするテストは、鬼滅の刃に登場するキャラクターたちを手書きで書いて、正しく読み取れるか確認することです。

  • 「竈門 炭治郎」
  • 「竈門 禰豆子」
  • 「嘴平 伊之助」
  • 「煉獄 杏寿郎」
  • 「甘露寺 蜜璃」

どれも難しい漢字ばかりですが、果たして正しく読み取れるでしょうか?

3.課金単位

AI OCRサービスごとに特徴に合わせてプランが設定されています。プラン内の無料枠で読み取れる件数が決まっていますが、それを超えた場合の利用料についても確認が必要です。1枚あたりの項目数が少ない場合は、項目別に課金される仕組みが適しています。一方、項目数が多い帳票を多く扱うのであれば、枚数単位で課金される仕組みが合っています。この点については、導入前に自社の状況に合わせてしっかりとシミュレーションを行いましょう。

AI OCR導入で得られるコスト削減効果と費用対効果

AI OCRは、画像に含まれた文字を文字データに変換する仕組みです。言ってしまえば、AI OCRを経由しても、最終的にはテキストファイルが生成されるだけなので、AI OCR単体では大きな効果を得られません。文字データができたとしても、それを次のシステムに入力するには、人力でのコピペ作業が必要です。単純に読み取った結果を1回でコピペするだけであれば入力ミスも少ないかもしれませんが、複数回にわたるコピペ作業が発生する場合、入力作業とやっていることはあまり変わりません。

つまり、変換された文字データを次の仕組みに伝達するためには、AI OCRとは別の仕組みが必要です。そこで、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)DPA(デジタル・プロセス・オートメーション)と呼ばれる仕組みが求められます。

では、別途RPAやDPAを準備しなければならないのでしょうか?

AI OCRの中には、RPAやDPAの機能を内包するサービスもあります。たとえば、AI JIMY Paper botでは、AI OCRで変換した文字データを内包するRPA機能を使って次のシステムに自動的に入力させることが可能です。これにより、読み取った後の処理をAI JIMY Paper bot単体で完結させることができ、これまで人が「目で見て、文字を判断し、キーボードを打って入力していた」作業を完全に自動化できます。

自動化することで、これまで作業を担当していた人の工数をゼロにすることができ、その分、別の作業を進めることが可能になります。

AI OCRの料金を抑えるための具体的な方法

料金を抑えるためには、筆者は次の3つが大事だと考えます。

1.マッチしたサービスを選定すること
2.読み取り精度が高いもの
3.業務自動化の目線で見たときに、AI OCR以外に掛かる費用も検討すること

1.マッチしたサービスを選定すること

ここまでいくつかのAI OCRサービスを見てきましたが、世の中には他にもさまざまなAI OCRサービスがあり、それぞれに特徴があります。業務でAI OCRを取り入れたい場合は、自社のニーズにマッチしたサービスを選ぶことが重要です。そのためには、トライアルが提供されているサービスや、初期導入費が安価なサービスから試してみることをおすすめします。

2.読み取り精度が高いもの

各AI OCRサービスでは、読み取り精度が99.9%といった表記が見受けられます。もちろん、誇張された表記ではありませんが、実際に読み取らせたい帳票を使って、どの程度の精度が出るのか確認したいところです。

AI OCRサービスの中には、導入前やトライアル前に、実際の帳票の読み取り結果を提供してくれるサービスもありますので、各社が提供する精度の表記だけではなく、実際の読み取り結果を見て判断していただきたいと思います。

3.業務自動化の目線で見たときに、AI OCR以外に掛かる費用も検討すること

AI OCRの導入は、業務の効率化やコスト削減を目的としています。しかし、AI OCR単体では「画像に含まれる文字を抽出し、文字データに変換する」機能しか持っていません。データは、単に存在するだけでは価値がなく、それを実際に利用して初めて価値を持つようになります。

したがって、テキスト化された文字データを効果的に活用するためには、RPAやDPAといった別の仕組みが必要になります。これらのRPAやDPAといった技術は、一般的には年間で100万円以上もの費用がかかるため、AI OCRを選定する際には、抽出した文字データをどのように活用するのか、そしてそれに伴うコストまで考慮して、サービスを選ぶことが大切です。

まとめ

最後にまとめとして、以下のポイントを挙げます。

  1. 紙に書かれた文字を読み取り、次のシステムに入力するには「人」を活用するのが一番簡単ですが、単純作業であるため、できるだけ効率化・自動化したいと考えます。
  2. OCRはAIの力を借りて読み取り精度が非常に高くなり、人よりも正しく読み取れるほどに成長しました。これを活用しない手はありません。
  3. ただし、AI OCRでできるのは文字データを抽出するまでです。AI OCR単体では次工程にデータを送ることができませんが、RPA機能も持つAI JIMY Paper botならば、AI OCR単体での自動化を実現することも可能です。

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