今、注目のハイパーオートメーションとは?概要を簡単に説明

最近、ロボット工学、人工知能(AI)、機械学習(ML)の発展により、ビジネス全体が『ハイパーオートメーション』と呼ばれる新しい自動化の時代を迎えています。現在、ITおよびエンジニアリングリーダーの95%がワークフローの自動化を推進しており、この新しいビジネスチャンスは、多くの企業においてデジタルトランスフォーメーション(DX)の主導的な役割を担っています。

ここ数年では、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)が、自動化時代の到来の第一波となりました。RPAは高度なテクノロジーとツールを組み合わせ、手動タスクやプロセスを迅速化し、業務効率、精度、エラー削減を向上させることができます。RPA市場は2030年まで2桁の成長を示すと予測されています。ハイパーオートメーション市場の成長率はRPAを上回り、2022年までに約6000億ドルに達するとみられています。

この記事では、業務自動化の変化やハイパーオートメーションの概要からメリットや重要性について説明します。

目次

ハイパーオートメーションとは?

RPAはビジネスプロセスの改善に役立っていますが、それは自動化全体の一部分でしかありません。反復的で複雑性の低いタスクの自動化に限定されています。そこで登場するのがハイパーオートメーションです。

Gartnerでは、ハイパーオートメーションを「組織ができるだけ多くのビジネスおよび IT プロセスを迅速に特定、精査、および自動化するために使用する、ビジネス主導の規律あるアプローチ」として説明されています。人材への投資を最小限に抑えながら、RPAやAIなど複数のテクノロジーやツールにより業務自動化を高い次元にまで高めることができるとしています。

https://www.gartner.com/en/information-technology/glossary/hyperautomation

なぜハイパーオートメーションが重要なのか?

ハイパオートメーションとは、人工知能(AI)、機械学習(ML)、自然言語処理(NLP)、光学式文字認識(OCR)など、複数の先端技術やその要素を組み合わせた最上級の自動化プロセスのことだと言えます。ハイパーオートメーションの基本は、エンド・ツー・エンドの自動化の実現です。つまり、一連の業務を実行することを目指します。そのために、RPAから始まり、AI、ML、ビジネスプロセス管理システム(BPMS)などの高度なツールや分析を利用して、さまざまな先進技術が付加されます。

ハイパーオートメーションでは、自動化の範囲を拡張し能力を高め、データを活用して常に進歩・改善するプロセスを構築するものです。自動化に人間および機械によるインテリジェンスを加えることで、構造化されていない業務などの極めて難しいプロセスも自動化できる性能と柔軟性を持ちます。

組織のインフラや反復作業に頼らずとも、AIに支えられた自動化ロボットなら、非構造化データの入力や、微妙な判断を下すことが可能です。これにより、企業は顧客の期待に迅速に対応しながらビジネス目標を達成できるようになります。

たとえば、ハイパーオートメーションによるロボットであれば、営業報告書、契約書、請求書、公文書の読み取りなど、面倒な作業が直感的なタスクで実行することで可能です。一方、人間は顧客の話を聞き、リクエストを読み、会話に参加することで、過去最高のスピードで対応し、ビジネス機会を見出すこともできるでしょう。

ハイパオートメーションのメリットとは?

ハイパーオートメーションは、人工知能や機械学習だけに限ったものではありません。システム間で自動化ツールを使用することができ、部分的ではなく、プロセス全体の自動化だと捉えることができます。メリットの限界も(今のところ)見えていません。以下はその一例となります。

  • 運用上の障害を軽減:ハイパーオートメーションは、レガシーシステムを操作し、機能障害に阻害されることなく、ビジネスの非効率性や障害をピンポイントで特定することができます。AIとRPAを融合することで、プロセス自動化の最適解を見つけ出せるため、導入効果の最大化を実現します。
  • 人間からデジタルワーカーへ:生産性の向上やサポート業務のために、デジタルワーカーを導入し、従業員と連携を強化します。ハイパーオートメーションツールで構築されたデジタルワーカーは、(膨大な)ナレッジに基づいたナビゲーションやサポートサービスの提供、アカウント管理など、消費者をサポートすることも可能です。
  • 複合タスクの高速化:ハイパーオートメーションは、DXのための道筋をスピーディーに切り開き、これまで人間の洞察力と入力に依存していたタスクの自動化を促進します。複数の社内システムを効率化することで、ハイパーオートメーションは、機能、KPI、プロセス間のこれまで見えてこなかった相互作用の可視化を実現します。

ハイパーオートメーションのユースケース

ハイパーオートメーションの高度なロボットインテリジェンス機能により、主要なビジネスプロセスの自動化を促進することができます。業界別に、いくつかのユースケースを紹介します。

  • ヘルスケア:AI、ML、NLPおよびRPAは、ヘルスケア業界のプロセス改善に価値を提供しています。ハイパーオートメーションのもと、複数のツールを併用することで、治験や投薬調整(量と組み合わせ)、患者登録、保険確認などの反復作業を自動化し、時間の短縮化やプロセスの標準化、エラーの削減を実現しています。
  • 金融サービス:フィンテックの台頭により、金融サービス業界はさらに競争が激しくなりました。ハイパーオートメーションを活用することで、顧客オンボーディングの改善、コンプライアンスプロセスの合理化、正確性とスピードの向上により、業務改善を実現させ、競争力を維持しています。
  • カスタマーサービス:顧客の期待と要求が変われば、組織はその変化に迅速に対応しなければなりません。業務プロセスを顧客の期待や要求に適応することで、顧客満足度を向上させます。ハイパーオートメーションを、カスタマーサービスのプロセスとシステムに統合することで、従業員の手作業を減らし、顧客からの問い合わせを迅速に解決して、業務を効率化することができます。

ハイパーオートメーションとは、従業員とシステム、自動化ロボットを連携させることで、ビジネス目標の達成のために、組織の力を結集することといえるでしょう。

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