送り状作成の手入力をゼロにする方法とは?生成AIとOCRによる自動化フローを徹底解説

送り状作成の手入力をゼロにする方法とは?生成AIとOCRによる自動化フローを徹底解説

送り状作成の手入力と確認作業に追われ、本来注力すべき業務が滞っていませんか?伝票処理に月100時間以上を割き、誤配送や残業増加でコストと従業員の負担が重くのしかかります。

本記事では、AIを活用した自動読み取りとデータ補正で手入力をほぼゼロに近づける次世代フローの仕組みと導入メリットを具体的に解説します。

また、本文最後で自動化のフローが無料でダウンロード可能です。ぜひ最後までお読みいただき、業務効率化と働き方改革に役立てください。

目次

送り状の作成業務が抱える「見えにくい課題」とは?

一見単純な送り状作成ですが、取引先ごとのルール確認や二重入力、締切へのプレッシャーなど、見えにくい負担が積み重わっています。現場ではこれが原因で属人化や誤配送、慢性的な残業といった問題を招くことが少なくありません。このセクションでは、それぞれの課題を詳しく見ていきます。

FAXやPDF注文に依存した属人化

取引先ごとに異なる紙の注文書やスキャン画像を目視で確認し、どの欄をどこへ転記するかは担当者の「暗黙知」に依存しています。新規取引先が増えるたびに、フォーマットの違いをマニュアル化しようとしますが、実際には細かいレイアウトの崩れや手書き文字のばらつきが多く、マニュアルだけでは新人に再現させるのが困難です。

結果として、ミスが出やすくても人にしか対応できない体制が固定化し、欠勤や部署異動のたびに業務が滞ってしまいます。さらに、担当者しかわからないルールが蓄積され、ドキュメント化が追いつかず「ブラックボックス」化が進行。属人化が進むほど、後任育成コストや緊急要員のアサイン工数が増え、結果的に全体のリードタイムが長期化してしまいます。

二重入力が生む誤配送リスク

送り状作成では、自社の基幹システムと各運送会社の伝票ソフトに同じ情報を二度手入力しなければなりません。Excelのオートフィル機能を駆使しても、セルのずれや全角と半角の混在、数字のカンマ抜けなど、人間だけでは防ぎきれない小さなミスが必ず発生します。

たとえ誤入力率が1%に抑えられていても、月間20~30件の誤配送につながり、その対応には、件数×平均3時間もの時間コストがかかります。誤配送が起きれば、再配達手配や在庫の引き戻し、顧客対応に多部署の調整工数が生じ、その損失は直接コストだけでなくブランド信頼の低下にも波及。こうしたミスのドミノ倒しは定量化しにくいため、見過ごされがちですが、年間で数百万円規模の隠れコストとなって企業を圧迫します。

作業過多による残業常態化とモチベーション低下

送り状作成は「やって当たり前」と捉えられやすく、売上に直結しない裏方業務のため、効率化提案が上層部に届きにくいのが現状ではないでしょうか。特に繁忙期には残業が月間40時間を超え、終業チャイム後に「締切レース」が日常化します。

深夜まで続くチェックや修正作業は、担当者の集中力を奪い、翌日の業務品質も低下させる悪循環を招きます。また、「改善したい」と思っても、定例会議で優先度が低い業務とされ、投資や支援が得られないケースも多いです。結果として、担当者は「作業をこなすだけ」の日々に疲弊し、キャリアアップや付加価値業務に時間を割けず、組織全体のイノベーション力が損なわれてしまいます。

なぜ送り状作成は自動化検討の後回しになりやすいのか

なぜ送り状作成は自動化検討の後回しになりやすいのか

多くの企業では、基幹システムや営業支援ツールの刷新が優先され、送り状作成は自動化検討の後回しになりやすい傾向があります。その背景には、以下のような複合的な要因があります。

1. 個別例外対応のコストが大きい

取引先ごとに帳票フォーマットや出力形式が異なるため、一律の自動化ルールでは対応しきれません。都度テンプレートやスクリプトを修正・テストする手間が膨大に膨らみ、小規模な投資では回収が見込めないと判断されがちです。

2. 投資効果の定量化が難しい

送り状作成の業務は1件あたりの作業時間やミス対応の工数を合算すれば、コストの把握は可能です。しかし、年間でどれだけ工数を削減できるかを経営層にイメージさせにくいため、投資の検討自体が後回しにされがちです。

3. 責任範囲が部門をまたぐため推進主体が不明瞭

営業、物流、経理など複数の部門が関わるプロセスのため、どの部署が主導して自動化を進めるのかが曖昧になりやすいのも一因です。どの部署を主体にして議論すればよいかわからないまま、予算や意思決定の場に上がらずに検討が滞ってしまいます。

4. 人手によるチェックへの安心感

小さなレイアウト差や手書き文字など、例外ケースが残る限りミスを恐れる心理が働きます。「システムより人の目で最終確認したほうが安全」という判断が、自動化のハードルをさらに高くしています。

5. 伝票出力と印刷工程の自動化設計が難しい

スキャンや自動読み取りシステムで注文データを取り込んでも、各運送会社の伝票フォーマットへの反映や適切なタイミングで印刷する仕組みを作るのは容易ではありません。その結果、最後のひと手間として手作業が残ってしまい、完全自動化を阻む要因となっています。

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送り状自動化の前提条件:OCRと生成AIが必要な理由

自動化を進めるには、まず紙やPDFの注文情報を正確にデータ化するOCRが欠かせません。さらに、表記ゆれや例外データを自動補正することで、次の処理を安定化させる生成AIが必要となります。本セクションでは、この二つの技術が送り状自動化の土台となる理由をご説明します。

送り状作成に紙やPDFをそのまま使えない理由とOCRの役割

取引先から届く注文書は手書きのメモやPDF、FAXといった形でバラエティに富みます。そのままではシステムやExcelに取り込めず、全てを手動で読み取る必要があります。

OCR(光学文字認識)は、こうした紙や画像データをテキストに変換し、住所や品目、数量、金額などを項目別に整理してデータ化します。OCRによって手入力を大幅に削減し、次の自動処理ステップへスムーズにデータを渡せます。

OCRだけでは足りない3つのポイント

  1. 手書き文字・レイアウトゆれ
    手書き数字の潰れや罫線入りフォームは、OCRの読み取り精度を下げる。
  2. 表記ゆれ・旧字混在
    全角半角の混在や「㈱」「(株)」など略称のバラツキはそのままでは統一データにならない。
  3. 例外ケースの対応工数
    誤認識や読み落とし発生時に都度目視チェック・修正が必要で、完全自動化が阻まれる。

OCR+生成AIが叶える“ゆれ”と“例外”の自動補正

OCRで抽出したテキストデータを、そのまま自動化フローに流し込むと誤配送や登録エラーの原因になります。生成AIを組み合わせれば、文脈を理解した上で全角半角を統一したり、旧字を最新表記に変換、略称を正式名称へ展開したりできます。郵便番号から都道府県・番地への自動補完も可能です。「例外対応」をAIが担い、手動修正は最小限のチェックポイントに絞り込めます。

送り状作成の自動化をかなえるツールを紹介

ここからは、OCRによる読み取りを担う「AI JIMY Paperbot」と抽出データを正規化する「AI JIMY Converter」の2つのツールをご紹介します。2つのツールを組み合わせることで、送り状作成の自動化基盤が完成します。

AI JIMY Paperbot

サーバやクラウドの受注フォルダを常時監視し、新しいPDFや画像ファイルを検知すると自動でOCR処理を開始します。帳票のレイアウトをAIで見極め、手書き・印刷文字を高精度に読み取って、住所や品目、数量、金額などを項目別に整理したデータとして出力します。

AI JIMY Converter

OCRで抽出したデータに残る全角半角のゆれや旧字・記号の混在を、生成AIの文脈理解力で自動統一します。さらに略称の正式名称展開や、郵便番号からの住所補完、不要文字の除去までを一気に行い、後続の伝票発行やシステム連携がエラーなく進むようクリーンなデータを整えます。

OCR×生成AIで実現する次世代の送り状自動化フロー

このセクションでは、注文書の受領から送り状の印刷・売上登録までを、AIを活用して自動化する全5ステップの流れをご紹介します。使うのは、AI JIMYが提供する2つのAIツール「AI JIMY Paperbot(読み取り担当)」と「AI JIMY Converter(データ補正担当)」です。

この2つのツールを組み合わせることで、注文書の読み取りから送り状の作成、売上登録までの一連の業務を、人手をかけずに正確かつスムーズに処理できます。以下より各ステップを詳しく見ていきましょう。

ステップ①:FAXやPDFで注文書を受け取る

注文書はFAXやPDFで送られてきます。これらのファイルは、あらかじめ指定したフォルダに自動保存されるよう設定しておきます。

AI JIMY Paperbotは、このフォルダを常に監視しており、新しいファイルが追加されると自動で処理を開始(ファイル監視機能)します。

ステップ②:OCRで内容を読み取り、AIが表記を整える

注文書は取引先によってフォーマットがバラバラですが、AI JIMY Paperbotはそのレイアウトを自動で見分け、適切な方法で文字情報を読み取ります。

しかし、読み取った情報には表記ゆれ(例:「1丁目」「1-」などの違い)が含まれていることもあり、そのまま使うと送り状の誤作成につながる恐れがあります。

そこで活躍するのがAI JIMY Converterです。読み取ったデータを以下のように整理・補正します。

  • 住所の統一:郵便番号や都道府県などを補完し、「〇丁目-△-□」のような書き方を正しい住所形式に統一
  • 金額情報の整理:「¥」「円」「-」などの記号を取り除き、数値だけを抽出
  • 印刷トラブルの防止:全角スペースや制御文字を削除し、正しく印刷できるよう整えます

AI JIMY Paperbot(読み取り)+AI JIMY Converter(補正)の連携で、表記のバラつきのある帳票も安定したデータとして次の処理に進められます。

ステップ③:条件に応じて最適な運送会社を自動で選ぶ

次に、整えたデータを活用して、最適な運送会社を自動で選定する処理へと進みます。この処理は、まずデータをExcelファイルに転記するところから始まります。ここでExcelを使う理由は、大きく2つあります。

  1. 処理のログを残すため:万が一送り状が印刷されなかった場合でも、どこで止まったかを把握できます。
  2. 配送条件に応じて会社を選定するため:Excelに記録された情報を使って、エリアや重量などに応じた最適な運送会社を判定します。

この部分の処理はAI JIMYではなく、Excelのマクロ機能を使って実現できます。

ステップ④:各運送会社向けのCSVを自動生成 

送り状

各運送会社が求める送り状データの形式はバラバラで、手作業での入力や調整が必要になることが多く、現場の大きな負担になっていました。しかし、AI JIMY Paperbotの自動化フローでは、Excelに一度転記された統一フォーマットのデータをもとに、各社に適したCSVファイルを自動生成することが可能です。

このとき、Excelには「送り状種別」などの識別項目を追加しておくことで、佐川急便・ヤマト運輸・日本郵便など、どの配送会社を利用するかに応じたファイル出力が自動的に分岐されます。また、複数の条件(エリア、サイズ、重量など)をもとに送り状のフォーマットを自動判定するロジックを組み込むこともでき、細かな人の判断を必要とせず処理が完結します。

AI JIMY Paperbotによって、以前は「出力ミス」「形式違い」「記載漏れ」などで再印刷が必要だった送り状が、正確に作成されるようになり、業務の効率と正確性が大幅に向上します。さらに、CSV形式での出力は、各運送会社のシステムへの取り込みにもそのまま使えるため、再加工が不要でそのままアップロードするだけで済みます。

ステップ⑤:送り状発行から売上登録まで一気通貫で処理

送り状の印刷が完了したら、それで終わりではありません。ここからさらに、販売管理システムへの売上登録までを自動で行うことが可能です。具体的には、送り状に記載された注文情報をそのまま売上データとして取り込み、商品の出荷処理と同時に売上計上を行います。

この一連の処理が自動化されていることで、営業部門や経理部門が別途手作業で売上伝票を起票する必要がなくなります。その結果、事務処理の手間が減るだけでなく、入力ミスや処理漏れなどの人的ミスを防止することができるようになります。

さらに、売上伝票の印刷まで自動化しておけば、送り状とセットで出力されるため、伝票を探す・まとめるといった作業も不要です。出力された伝票と商品をそのまま同梱するだけで出荷準備が完了し、発送担当者の作業時間も大幅に短縮されます。

送り状印刷 → 売上登録 → 伝票印刷という一連の流れが自動化されることで、業務全体が統合され、無駄なく効率よく進行します。特に、日々大量の注文を処理する企業にとっては、人的リソースの節約と業務のスピードアップに大きく貢献するでしょう。

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まとめ

属人化・誤配送リスク・残業の常態化といった見えにくい課題に加え、さまざまな帳票のフォーマットや投資効果の可視化の難しさが、送り状作成の自動化を後回しにしてきました。そこでOCRによる正確なデータ化と生成AIによる表記ゆれの補正を組み合わせれば、運送会社の選定から伝票発行、売上登録まで手入力ゼロで一気通貫の自動化が実現します。AI JIMY Paperbotが「読み取る目」を、AI JIMY Converterが「整える脳」を担う全5ステップのフローで、送り状の作成業務を劇的に効率化しましょう。無料の導入資料では具体的な導入事例や効果もご覧いただけますので、ぜひお役立てください。

AI JIMY Paperbot
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