AI OCRとは?初心者にもわかりやすく仕組みをカンタンに紹介

文字をデータ化するOCRは以前よりありましたが、技術が進み昨今ではOCRとAIの組み合わせでさらに便利になっています。本記事ではAI OCRに関してこれから知りたい方にAI OCRの概要や技術、文字認識向上のために使われるディープラーニングなど、わかりやすく解説しています。

目次

基本から学ぶ – AI OCRとは?

働き方改革・業務効率化が注目されている世の中ですが、実際は手書きの書類や帳票の内容をシステムへ手作業で入力する業務が多くの企業で残っています。そこで今注目されているのがAI OCRです。AI OCRの市場規模はここ数年拡大し、民間・自治体問わずニーズのある分野として期待されています。まずはOCRついて、解説します。

そもそもOCRとは?

OCRとは、光学文字認識(Optical Character Recognition)を略した名称で、画像データから文字を読み取ってテキストデータに変換する技術です。具体的にいうと、スキャナーで読み込んだ紙に書かれている文字を認識しデジタル化します。

OCRは1920年代に研究・開発がおこなわれていて、1929年にはアメリカで数字・アルファベットが認識できるOCRが登場しました。日本では郵便番号の自動読み取りに導入するため、1960年代に国産OCRが初めて製品化されて本格的にOCRの利用が始まっています。

1980年代には官公庁や大手企業がOCRを利用したり、社内のパソコンと接続し周辺機器として利用されたりしていました。 OCR端末は1990年代以降に小型化が進み、2010年代にはスマートフォンと連動したOCR端末や撮影した画像の文字をそのままデータ化できる商品も登場しています。 

OCRの課題

歴史のあるOCRですが、一方で課題点も多数あり普及するのに行き詰まる側面もあり、次のような理由が挙げられます。

1.手書き文字の認識率が低い

活字は文字の形が決まっているため、OCRでもほぼ問題なく認識できます。一方手書き文字は、人それぞれ癖のある文字になってしまったりかすれてしまったりするため、誤認識をしてしまうことが多くありました。誤認識は、手作業で修正を行うので業務に負担がかかってしまいます。

2.フォーマットが統一されていない帳票は対応がむずかしい

見積書や請求書といった項目は共通でも配置やフォーマットが決まっていない準定型帳票、論文など枠線や項目がない文書タイプの非定型帳票はOCRが対応できず制約が多いことも課題でした。どこを読み取ってほしいという指定をするにしても、文字のサイズや記載の位置がバラバラのため、OCRを利用しても思ったように文字認識ができないことが原因です。

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文字認識率の向上を図るため、AI OCRが新たに登場

近年、AIの技術が向上してOCRへの応用が進んでAI OCRとして新たに提供されています。AI OCRは、これまでのOCR技術にAIを利用。コンピュータが1つの文字を何度も学ぶ機械学習を行わせることで、文書に印刷された活字や手書き文字の認識率を向上させています。

AI OCRは入力作業にかける負担を減らすだけでなく、紙文書をデジタル化し文字情報をデータにして、検索を瞬時に行うことが可能です。ここからは、AI OCRのメリットについて具体的に解説します。

AI OCRのメリット

これまでのOCRと比較して、AI OCRのメリットは以下の通りです。

  1. 高い精度で文字を認識できる
  2. 多様な帳票のフォーマットに対応できる
  3. RPAとの連携で業務効率の向上を図れる

1.高い精度で文字認識が可能

従来のOCRは、事前に決められた範囲内のみで文字の識別を行っていました。しかし、OCRの技術にAIの特徴となる深層学習(ディープラーニング)が加わったAI OCRは、これまでに比べ文字の認識率が向上しています。

たとえば「あ」とうい文字に対して、さまざまな形の「あ」を学習させて、学習した形により近い文字を正解として導き出します。学習する際に、手書きの文字も含めることで、パソコンなどで作成した活字以外に複雑な手書き文字が読み取れます。そのため、乱筆やフリーフォーマットに記された手書き文字、けい線に被っている文字などの読み取りができるようになるという仕組みです。

※手書き文字の読取り精度比較は下記記事も参考にしてみてください。

2.多様な帳票のフォーマットに対応できる

AI OCRは読取位置や項目をAIが自動に検出するため、スキャンした紙の資料を読み取ると同時に文字を認識します。これまで請求書の情報をシステムに入力する際は、情報ごとの位置付けや部門、科目の仕分けなど人手による作業が残っていました。フォーマットがバラバラの帳票も、AI OCRを利用すれば容易にデータの抽出ができるので、業務効率を大幅に上げられます。

3.RPAとの連携で業務効率の向上を図れる

OCRを活用すれば、システムへの入力作業を効率化できます。しかし、OCRは読み取った文字が何を意味するのかを理解することができません。そのため、OCRで読み取った文字情報とシステムの各項目へ入力作業を行うのは人間の作業が必要でした。

AI OCRでは、読み取った文字情報とシステムの各項目の対応付けを行うことが可能です。さらに情報の意味付けができるので、AI OCRとRPAを連携させて入力作業を自動化し、業務効率を向上させることができます。

RPAとは、人が行っていた事務系の定型作業を自動化、代行するツールのことを言います。AI OCRと組み合わせて使用すれば紙帳票からAI OCRでデータを抽出し、RPAでデータ入力から集計・加工、出力までの業務をすべて自動化できます。

AI OCRのデメリット

メリットの多いAI OCRですが、ここからはデメリットも確認しておきましょう。

1.文字認識率は100%ではない

AI OCRは従来型のOCRと比較して読取り精度が高いですが、100%読み取れるわけではありません。AIであろうと現時点では、ミスを完全に排除することは不可能でしょう。したがってAI OCRにすべてを任せられず、目視によるチェックは必要です。

ただしAI OCRの導入に意味がないというわけではありません。人による目視チェックは必要ですが、1から人間の手作業で行うより少ない時間ですみます。

2.導入コストが高い

AI OCRの導入は初期費用とランニングコストのほかにオプション料金、サポートなどの費用がかかります。最近ではDX推進の流れにより、多くのAI OCRのサービスが登場していて料金体系にも大きく幅があります。AI OCR導入による費用対効果を考えると「大手だから良い」ではなく、自社の業務や事業規模に合わせたAI OCR製品を選ばなければコストがかかるシステムになってしまうでしょう。

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AI OCRの根幹になる技術

AI OCRは、紙に書かれた文字をデジタルデータへ変換することができます。では、どのようにコンピュータが読み取った紙の画像をデジタルデータに変換しているのか、カンタンに解説します。AI OCRは「文字検出→文字認識」の流れで画像中の文字情報を識別。実際に読み取る対象となる書類は、さまざまな項目の文字および写真やロゴといった文字以外の物体も存在します。ここからは文字検出と文字認識に分けて説明します。

文字検出

文字認識を行う前段として、画像の読み取る領域を指定して文字検出を行います。読み取る紙の書類には文字以外のロゴや写真も存在するため、どこに文字があるのかを指定しなければなりません。

文字検出とは、画像中から文字を検出すること

文字認識

文字検出で取得した領域ごとに、どのような文字なのかを識別する作業を行います。各領域ごとに記載がある文字を識別して、テキストデータに変換します。

文字認識とは、検出した文字をテキストデータとして識別すること

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AIの学習方法とは?

AI OCRは、AI技術を使って文字認識率を向上させてきました。実際にAI技術の「ディープラーニング」がどのようなものなのか、カンタンに解説します。

ディープラーニングとは?

ディープラーニングは「深層学習」と言われ、人の手を使わずにコンピュータがデータの特徴を自動的に抽出する技術です。ニューラルネットワークは複数の中間層になっていてディープ(=多層)ラーニングと呼ばれ、データの特徴を深く学習できます。

ニューラルネットワークは、ニューロンと言われる人間や動物の脳神経回路をモデルに数式的に表現したものです。入力層・中間層・出力層で構成され、これらをつなぎあわせて情報処理・伝達を行います。

仕組みは、入力層に入ってきた学習データに設定したパラメータや変数をかけた数値を出します。中間層で、ある程度正解データを振り分けていますが、入力層で出した数値を集めてさらにパラメータと言われる条件や変数をかけて出力層にデータを渡していきます。出力層の数値が正解データと近ければ良いですが、そうでなかった場合はさらにパラメータや変数を調整していき正解に近づけるようにしていかなければなりません。

ディープラーニングを行うときの重要なポイント

ディープラーニングにおける重要なポイントは以下の2つです。

1.大量のデータが必要

ディープラーニングではを正解を示すデータが非常に多く必要になるため、十分なデータを確保できるかがポイントです。では、どのくらいの量のデータが必要なのでしょうか。

自動運転できる車を開発するには、複数の静止画で数百万枚、運転中の動画は数千時間分も必要になると言われています。さらに学習させるには、正解であるデータを読み込ませた後、まだ学習していない正解と不正解のデータを読ませて正解率を上げていく必要があるため、AIを実装するには多くの時間をこの作業に費やします。

2.AIに詳しい人材が必要

ディープラーニングを行うには、AIに詳しい人材が必要です。ディープラーニングはAI技術の1つであり、専門スキルに該当します。実際に資格試験の1つとしてG検定(ジェネラリスト検定)というものがあります。こちらは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が提供するAI・ディープラーニング活用のために専門リテラシーを有しているかを判定する試験です。ディープラーニングは専門性の高い分野で、それを扱える人材が必要となります。

AI OCRを試すならAI JIMY Paperbotがおすすめ!

業務で利用できるものなのか、AI OCRを一度試してみたい!そんな方には、AI JIMY Paperbotがおススメです。印刷された文章はもちろん手書き文字の読み取りや出力結果を別ファイル、ソフトへ自動入力ができるRPAも実装。無料トライアルを行っているので、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。

AI OCRにRPAを搭載したデータ入力自動化ツール/ AI JIMY Paperbot
参照サイト: https://aijimy.com/

AI JIMY Paperbotを利用するメリット

誰でもカンタンに使用可能

AI JIMY Paperbotは特別な技術知識は不要で、マウスだけの直感的な操作が可能です。RPAツールとの連携や専門知識が必要なAPIなどの開発作業は必要ありません。

ひとつのツールで完結

画像の取り込みから取引先ごとの仕分け、手書き文字の認識、テキストデータの出力、業務システムへのデータ入力まで、一連の作業をAI JIMY Paperbotひとつで自動化できます。

自動でファイル名を変換

1クリックでリアルタイム処理を行い、任意で電子帳簿保存法の改正にも対応したファイル名に自動で変換可能です。

AI類似変換で文字認識が向上

日本語の認識は、手書きも含めてかなり高い精度で変換できます。間違いやすい商品名などの固有名詞は、あらかじめAI JIMY Paperbotに登録しておくことでさらに認識率が向上します。

多様な業務で活用

さまざまな業務で使用が可能です。FAXの受注入力、請求書の集計、手書きアンケートや申込書のデータ入力、作業日報のデジタルデータ化など多岐にわたる業務プロセスをサポートします。

まとめ

AIの導入により、今後ますますの業務改善による活躍を期待されるAI OCR。文字検出と文字認識という工程があり、AI技術の1つディープラーニングを用いて、文字認識率を向上させています。AI OCR導入による業務改善も一度検討してみてはいかがでしょうか。

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