最近、職場やプライベートでDXという言葉を聞く機会が度々あるのではないでしょうか。DXという言葉を今や当たり前のように使う機会が増えてきている一方、実際にどういう意味なのか、なぜ注目されているのかを理解されている方は意外と少ないようです。そこでこの記事では、DXの意味から注目されている理由、日本国内におけるDX推進に向けた課題を紹介していきます。
DXって何の略？その意味は？
DXは「デジタルトランスフォーメーション（Digital Transformation）」の略です。Digital Transformationでは、「DT」が略称ではないかと思われる方が多いかもしれません。英語では「Trans」は「Cross」と同じ意味で、Crossは「X」と略して表記されます。つまり、DXと表記される理由は、Transformation = X formation とされているため、略称がDXとなっています。
DXとは、企業がデジタル技術やデータを使って製品やサービス、ビジネスモデルを変え、業務や組織など企業文化を変革し、市場競走上の優位性を持つことを言います。
手紙からEメールに変えるなど、アナログでやっていたものをデジタル化するだけの場合、DXとは正確には言いません。既存の業務プロセスやレガシーシステムを一新し、ビジネスモデルの変革を起こすところまでがあってはじめてDXと呼びます。
DXが注目されている理由
現在、多くの企業でDXが注目されています。では、なぜ注目されているのでしょうか。ここでは、注目されている理由について挙げていきます。
「2025年の崖」問題
「2025年の壁」問題とは、2025年までにDXを実行できない企業は、経営的に深刻な危機状況になると経済産業省が発表した「DXレポ―ト」内で言われている問題です。新しい技術を取り入れずに現状維持のまま放置しておくと、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が出る恐れがあると言われています。
その一例として、レガシーシステムが取り上げられます。現在、使われているレガシーシステムを今後も使い続ける場合、保守・運用するためのエンジニアが必要です。2025年頃になると、保守運用してきたエンジニアが定年などで離職していくことが考えられます。
結果的にレガシーシステムの保守・運用が難しくなり、ブラックボックス化も避けられずコストの高いものになるでしょう。またレガシー・システムのままでは、AIやIoTといった新しい技術への対応が難しくなります。新しい技術に対応できないということは、新しいビジネスモデルや新商品開発に手を付けることができません。
そのため、2025年の壁問題を回避するには多くの企業がDXを推進していく必要があると考えられます。
技術の進化に伴う利用者ニーズの変化
利用者のニーズが変化していることも、DXが注目されている理由に挙げられます。日々技術が進化していき、これまでの当たり前が変化していくことによって、利用者ニーズも変わります。
たとえば、賃貸物件を探す場合、物件を決定する前に事前の内見を行うかと思います。これまでは、直接足を運んで内見を行うことが一般的でした。しかし技術がが進み、オンラインで内見ができるようになりました。足を運ぶ手間がなく、自宅に居ながらにして気楽に内見を行える点から、利用者の中でオンライン内見のニーズが増えてきました。
このように利用者ニーズの変化に合わせて新しい技術を取り入れ対応していく点は、DXが注目されている理由に挙げられます。
日本企業におけるDX推進に向けた課題
DXが推進されている中、日本企業におけるDX推進に向けた課題もあります。一体どのような課題があるのか、解説していきます。
DX推進に対する意識の低さ
日本国内において、DXに対して意識の低い企業が多いことが課題に挙げられます。DXを積極的に行おうとしている企業もある一方、現状における経営の安定によって危機感が低下し、DXによる変革を起こそうと考えない企業があります。
安定しているうちはもちろん良いのかもしれませんが、行き詰った時にはすでにDXへの投資も難しくなっているのではないでしょうか。DXに対して各企業ごとに取り組んでいく意識が求められます。
IT人材の確保
DX推進にあたり、必要なIT人材の確保が難しいとされている点も課題の１つです。DXを行うために、システムやツールの導入や運用・保守の業務が必要です。それら業務を行うことができるIT人材ももちろん必須。
IT人材が不足している中で、IT人材の育成や確保が困難な企業ではDXを進めることすら難しくなっていきます。一般社員でも求人の難しさは、中小企業は特に感じはじめているのではないでしょうか。また海外や大手企業は人材確保以外にも、社内でのIT人材育成をはじめています。いずれにせよ、IT人材の確保に向けて早急な対策が必要と言えます。
人材確保が難しいときはツールの導入を検討も
いきなりDX人材と言われても難しいというときは、まずは業務効率化をすすめてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
DXの意味や推進する理由について解説しました。まだまだDXの意味を理解し危機感を抱いている方は少ないかもしれません。本記事にて紹介した課題を解決し、企業全体で取り組んでいくことで新しいビジネスを獲得できる可能性もあります。ぜひ一度社内でもDXを検討してみてください。
