DX(デジタルトランスフォーメーション)とは別!勘違いしやすいIT用語

経済産業省が推進しているDX(デジタルトランスフォーメーション)をご存じでしょうか?多くの方が「耳にしたことがある」と回答するものの、内容を詳しく説明できる方は少ないようです。定義があいまいであったり、内容を勘違いして覚えていたりとさまざまです。本記事では、DXの定義や間違えやすい点などを解説しますので、ぜひ一読してみてください。

目次

そもそもDXの定義とは?

DXとは、英語のDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の頭文字を取った略語です。頭文字というとDTでは?と思うかもしれませんが、Transformationを「X-formation」と英語圏で表記されることがあるため、「DX」と略されています。ではどのような内容をDXと呼んでいるのでしょうか。

DXをはじめて提唱したのは、スウェーデンにあるウメオ大学のエリック・ストルターマン教授です。教授は、以下のようにしています。

ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる

引用元:総務省|平成30年版 情報通信白書|デジタルトランスフォーメーション

※ICT…情報通信技術のこと(Information and Communication Technology)

教授が指名した定義をもとに経済産業省では、DXを下記のように示しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

引用元:経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」

情報技術を利用して社会のニーズに応えるとともに企業も変化していくことで、業界ひいては世界の競争の中でも優位に立っていけるとしています。どのような事例があるのかなどは、こちらの記事を参考にしてみてください。

DXと勘違いされやすい似たIT用語

IT用語は横文字が並ぶことも多く日本独特の使われ方をしているものも中にはあるため、なかなか理解しづらいという方もいるかもしれません。DXは、ICTを取り入れて業務効率を上げ新しいサービスの創出やビジネスに変革を起こすことですが、結果が出るまでの期間が長いこともありどうしても勘違いしがちな部分があります。勘違いしやすい内容と言葉を下記にしたので、参考にしてみてください。

デジタイゼーション(Digitization)

デジタル化という意味でよく使用されているデジタイゼーションは、業務工程の効率化を目的にデジタル技術を導入するという意味です。

  • 顧客情報管理にCRMを導入する
  • 遠方の取引先ではオンライン会議システムを利用する
  • 各文書や申請書類を電子化する

要するにこれまでアナログベースで行っていた業務にデジタルツールを導入し、利用していくことを言います。

デジタライゼーション(Digitalization)

特定の業務工程をデジタル化して、デジタル技術で新しいビジネスモデルを作ることを言います。具体的には下記のような事例があります。

  • 工場の管理にIoTを導入し、環境も監視できるようにし業務効率化を図る
  • データの作成から会計システムへの取込み作業までをRPAで自動化し作業時間が短縮した分、ほかの業務を前倒しできるようになった
  • 音楽ソフト販売部門による音楽の定額配信サービスへの進出

デジタライゼーションはあくまで部署または特定の業務のみと考えられているので、DXと間違いやすいようです。カンタンに言うと部署または個別のサービスのみの変革であればデジタライゼーションとしています。

IT化

ITとはInformation Technology(情報技術)の意味です。インターネットやコンピューターを駆使して、これまで手書きといったアナログな手法をパソコンで入力、申請はインターネット経由で受領などの手法に変更することです。

  • 飲食店でテーブルに設置されたタブレットからお客様自身が行うセルフオーダーの導入
  • 請求書の発行やメール送信まで対応可能なクラウド会計システムの利用
  • 全国の社員が利用できるクラウド勤怠管理サービスを導入し、本社で一括集計管理

デジタイゼーションとの違いは、インターネットの技術も使用しているかという点。デジタルデータとなった情報を活用できるようにするのが目的です。

違いは目的、DXでおさえておくべきポイント

DXは、会社全体ひいては社会をより良くするための変革を最終目的にしています。間違って説明しないように、下記のポイントが抑えられているか確認してみましょう。

  • 最終的に社内全体を巻き込むものになっている
  • ビジネスの変革が目的となっている
  • 長期的な計画であるため、すぐに効果が期待できるものではない

経済産業省ではDXを推進する理由は、古いビジネスシステムは近い将来経済成長の妨げになるうえ、むしろ大きな損失を与えるとしています。世界的な競争に取り残されることも考えられるため、多くの情報から適切な判断を行い柔軟に対応できる企業や社会づくりが今後は大切になっていくのかもしれません。

まとめ

DXの定義と間違えやすいIT用語を解説しました。デジタリゼーション・デジタライゼーション・IT化は意味としての違いはありますが、DXを進めるにあたってはじめに考えなければいけない内容です。それぞれの意味の違いを理解し、自社では今何ができているのかを確認しながら国が提唱するDXを進めていきましょう。

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