ExcelやPDFなど既存のデータから一部をコピーして別のファイルへ貼り付けするようなPCでの作業は、意外に時間がかかるものです。また、貼付けや入力でミスを起こすこともあるでしょう。こういった単純作業は、PCで自動化するとミスが起こりにくくなります。最近、多くの企業で取り入れられているのはRPA(Robotic Process Automation)です。処理手順を登録すれば、人が操作するのと同じようにアプリケーションやシステムの操作ができます。カンタンな処理であれば、無料で利用できるPower Automate Desktopがおススメです。この記事では、Power Automate Desktopの利用方法について紹介します。
Power Automate Desktopで、全角数字を半角数字に変換したい
Power Automate Desktop には、全角数字を半角数字に変換する機能がありません。※バージョン 2.34.00296.23194 時点にて確認しました。将来的に、標準機能で変換可能になるとよいですね。
一方で、OCRが全角で数字を読み取り、業務システムは半角数字のみ受け付けるようなことがあります。今回は、VBScriptを使って変換してみました。
処理の流れ
利用したPAD バージョン:2.34.00296.23194
処理の流れとしては、次の2ステップです。※実際にはエラー処理などを追加する必要があるかと思います
- 手順1 変換したい数字列を用意する
- 手順2 VBScriptを実行する
手順1 変換したい数字列を用意する
1行目で、変換したい数字列をNewVarに保存しています。今回は例として、「20230719」にしました。
手順2 VBScriptを実行する
2行目でVBScriptの実行を行います。「VBScriptの実行」アクションは、スクリプトアクションの中にあります。VBScriptの実行アクションを開き、実行するVBScript欄に、以下の様に記入します。
※VBScriptでは、「’」から右をコメントとみなします。実際の動作にはコメントは不要です。
inp = "%NewVar%" 'NewVarをinpに格納する
out = ""'出力先outを初期化する
cnt = %NewVar.Length% 'NewVarの文字数を格納する
For lp = 1 to cnt
buf = Mid(inp,lp,1) 'inpを先頭から1文字づつ取得し、bufに格納する。
Select Case buf
Case "0": out = out & "0" 'bufが全角の「0」なら、半角の「0」を保存する
Case "1": out = out & "1" 'bufが全角の「1」なら ...
Case "2": out = out & "2"
Case "3": out = out & "3"
Case "4": out = out & "4"
Case "5": out = out & "5"
Case "6": out = out & "6"
Case "7": out = out & "7"
Case "8": out = out & "8"
Case "9": out = out & "9"
Case Else: out = out & buf 'bufが全角の「0」~「9」でなければ、元の1文字を保存する
End Select
Next
WScript.StdOut.Write(out) '編集が終わったoutを戻す
実行結果
上記を実行すると、変数VBScriptOutputに、編集結果が保存されます。全角数字を半角数字に変換しました。
応用編
もし、NewVarにカンマや小数点が入ることがあるなら、Case文を追加して、それらを取り除いた出力結果にすることができます。
- カンマを取り除きたい … Case “,”: out = out & “” ‘カンマを見つけた時は無視する
- 小数点を半角化したい … Case “.”: out = out & “.” ‘全角の「.」を見つけた時は半角の「.」に置き換える
頑張れば、全角カタカナを半角カタカナに置き換えられますが、ExcelAPIの「全角カタカナを半角カタカナに変換」などを利用する方が簡単でしょう。
ExcelAPIについては、次の記事「ひらがなを半角カタカナに変換」などを参照願います。
データ入力を自動化するならAI JIMY Paperbotがおススメ!
AI OCRを搭載しデータ入力を自動化するツールAI JIMY Paperbot には簡易なRPA機能を用意しています。しかし、複雑な作業には向きません。この記事でも掲載している無償のRPAツールである、Power Automate for desktop (以下PADと略)と組み合わせて利用する方法をご提案していますので、ぜひ一度ご相談ください。
AI JIMY Paperbotを利用するメリット
OCRに生成AIとRPAを搭載 一つのツールでデータ入力作業を完結
画像の取り込みから取引先ごとの仕分け、手書き文字の認識、テキストデータの出力、業務システムへのデータ入力まで、一連の作業をAI JIMY Paperbotひとつで自動化できます。
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AI JIMY Paperbotは特別な技術知識は不要で、マウスだけの直感的な操作が可能です。RPAツールとの連携や専門知識が必要なAPIなどの開発作業は必要ありません。無料で利用開始できますので、カンタンに試すことができます。
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AI類似変換で社内のマスタと連携し、文字認識が向上
日本語の認識は、手書きも含めてかなり高い精度で変換できます。間違いやすい商品名などの固有名詞は、あらかじめAI JIMY Paperbotに登録しておくことでさらに認識率が向上します。
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さまざまな業務で使用が可能です。FAXの受注入力、請求書の集計、手書きアンケートや申込書のデータ入力、作業日報のデジタルデータ化など多岐にわたる業務プロセスをサポートします。