
AI JIMY Paperbot には簡易なRPA機能を用意していますが、複雑な作業には向きません。今回は、現時点で無償のRPAツールである、Power Automate for desktop (以下PADと略)と組み合わせて利用する方法をご提案します。
認識結果をPADに渡す方法は、以下を参照してください。AI JIMY Paperbot のナレッジベースに移動します。
ナレッジベースには、他にも、AI JIMY Paperbotの利用方法を記載していますので、ぜひご活用ください。
Power Automate Desktop で、名前の姓と名を分割したい
AI OCRを使って読み取った伝票を業務システムに入力する時、名前の姓と名を分割したいことはないでしょうか。現時点でのPADにはその機能が見当たりません。そもそも姓名をどうやって分割出来るのか悩んでいましたが、ExcelAPIを利用することで、簡単に分割できたので紹介します。
ExcelAPIについて
ExcelAPIは、合同会社ハトライズ様により提供されているWEB APIです。2023年5月4日時点で、多くの機能が無償または低料金で提供されています。同時点での料金表を、抜粋して転記します。
料金
無料でお使い頂けます。
https://excelapi.org/info/
しかしながら、負荷対策のため、1日1万件以上のアクセスが必要な場合は有料とさせて頂いております。
1万件/1日 無料
10万件/1日 月額4,400円 (税込)
100万件/1日 月額44,000円 (税込)
その他の利用規約は過去記事などもご確認ください。
処理の流れ
利用したPAD バージョン:2.31.00119.23122
処理の流れとしては、次の3ステップです。※実際にはエラー処理などを追加する必要があるかと思います。
- JavaScriptでURLエンコードする
- Webサービスを呼び出し、姓を取得する
- Webサービスを呼び出し、名を取得する

手順1 新しいフロー-フローを作成する

手順2 変数-変数の設定
今回はサンプルなので、変換する変数を設定します。本来は読み込んだCSVファイルの項目といった場合もありますので、適宜読み替えて下さい。変数名は既定値のまま「NewVar」とします。

手順3 スクリプト-JavaScriptの実行
文字をURLエンコードします。日本語はURLエンコードする必要があります。技術的な理由に関心のある方は、別途検索をお願いします。今回は、以下のように記入します。
WScript.StdOut.Write( encodeURIComponent("%NewVar%") );
変数「NewVar」に設定した文字を、URLエンコードして、変数「JavascriptOutput」に保存します。

手順4 HTTP-Webサービスを呼び出します
姓を取得するExcelAPIを呼び出します。使用例は、下記通りです。
この例を参照し、URLには以下の様に記入します。
https://api.excelapi.org/person/name-separate?type=last&fullname=%JavascriptOutput%
他の項目は、既定値のままです。

続けて、名を取得するExcelAPIを呼び出します。URLには以下のように記入します。
https://api.excelapi.org/person/name-separate?type=first&fullname=%JavascriptOutput%
他の項目は、既定値のままです。
以上で、姓と名を分割できました。結果を確認してみましょう。
手順5 メッセージボックス-メッセージを表示
変数は既定値のままなので、変数「WebServiceResponse」に姓が、変数「WebServiceResponse2」に名が格納されています。その値を表示します。

実行して、動作を確認します。

元の「大阪一郎」が、「大阪」と「一郎」に分割されていますね。
伊藤博文→伊藤/博文
黒田清隆→黒田/清隆
三条実美→三条/実美
問題なく使えそうです。ちょっと意地悪をしましょう。
四月一日君尋→四月/一日君尋
タツジヌートバー→(空欄)
ダレノガレ明美→(空欄)
カタカナが混じると厳しそうです。また、場合によっては期待通りにはならないかも知れませんので、実際の運用時はご注意願います。
AI JIMY Paperbotをまだ試したことがない方はこちら
業務効率化にOCRを初めて検討する方や少ない予算で始めたい方はAI JIMY Paperbotが◎手書き文字にも対応できるAI OCRを使用しているうえに、出力結果を別ファイルやソフトへ自動入力ができるRPAも実装しています。無料トライアルを行っているので、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。
