企業が経営戦略として、DXへの取り組みを自主的に行っているか判断するためにある「DX認定制度」。そもそもどのような制度なのか、認定されることによるメリットとは何なのか。今回は、DX制度の基本的内容や認定されるメリットについて解説します。
「DX認定制度」とは
DX認定制度とは、「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づきデジタルガバナンス・コードの基本的事項に対応する企業を認定するための制度です。法人や個人を問わず、すべての事業者が対象となります。認定されると、国からDXにおいて、優良企業であると認めてもらうことができます。さらに、DX認定事業者になり、さまざまなメリットを受けられます。
DX認定制度の創設にある背景
DX認定制度の創設にある背景には、国として企業のDXを推進することが挙げられます。2018年に経済産業省が発表したDXレポート 「2025年の崖」問題の存在があります。2025年までに現在も使い続けているレガシーシステムの運用を続けていくと、企業として競争力を失って年間最大約12兆円もの大きな経済損失が生じると言われている問題です。
2019年には、経済産業省が「DX推進指標」を策定。これに基づいて企業のDX状況を分析すると、日本企業の約9割がDXに対して未着手、あるいは積極的にできていない状況であることがわかりました。この結果から、国内企業のDX推進を促すために、DX認定制度が創設されました。
DX認定制度を活用するメリット
DX認定制度を活用することによって、企業側にメリットがあります。では、DX認定制度を利用すると具体的にどのようなメリットが得られるか紹介します。
DX実施にあたって課題の整理・可視化ができる
企業がDX実施にあたって課題の整理・可視化が可能です。DX認定を受ける際には、審査があります。その審査の過程で、自社の現状を把握しDXを推進するための課題を確認できます。申請する際に必要な「DX認定制度 申請チェックシート」の中には以下のように書かれています。
デジタル技術が社会や自社の競争環境にどのような影響を及ぼすかについて認識し、その内容について公表しているか
引用元：ＤＸ認定制度（情報処理の促進に関する法律第三十一条に基づく認定制度） （METI/経済産業省）
この確認項目に対して、自社の取り組みに関する現状把握を行うため、課題の整理・可視化することになるというわけです。
自社ブランドの価値向上
DX認定を受けることにより、自社ブランドの価値を向上させることが可能です。DX認定制度は、DX推進に関して国が証明する制度であり、信頼性が高いと言えます。認定を受けることで、企業としての信頼性が高くなり自社ブランドの向上につながるでしょう。
また認定を受ければ、DX認定制度のロゴマークを使えるようになります。ロゴマークを使用することで、自社はDX推進に対して、積極的であり相応の知識があるとアピールできます。
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まとめ
DX認定制度の創設背景と認定のメリットを紹介しました。DX認定を受けると、自社ブランドの価値向上に繋げられます。また、認定されるまでの過程においても、自社のDXへの取り組みに関する課題を確認し今後の経営についても考えられます。ぜひ一度、DX認定を受けるための取り組みを行ってみてはいかがでしょうか。
