2024年に義務化!電子帳簿保存法の概要と保存要件をやさしく解説

CMやインターネット広告で昨今よく見かける電子帳簿保存法。なんとなく内容は知っているものの「どうすればいいかわからない」といった方も多いようです。これまでの紙書類を電子保存できるといった単純なことではなく、保存の方法や種類など細かく決められているのが、この法律のわかりづらいところなのかもしれません。本記事では、電子帳簿保存法の概要や保存方法、注意点を解説します。

※この記事は、2023年2月の時点で確認できた内容を元に作成しています。そのため、法改正後の内容に沿わない場合があります

目次

電子帳簿保存法とは?概要を解説

電子帳簿保存法は、紙で保存しなければならなかった書類を電子データで保存しても良いとしている法律です。正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」で、1998年に施行されました。企業でもPCの使用が活発化し、ペーパーレス社会への対応や国税関係書類の保存にかかっている負担を軽減するために作られました。

ITの発達とともに、電子帳簿保存法の内容も何度か改訂されています。特に2020年の改定では、書類保存にかかわる要件が緩和され受領者がデータを変更できないサービスやシステムを使用していれば、これまで必要だったタイムスタンプが不要になりました。

ほかにもキャッシュレスの支払いで必要だった領収書は、利用明細をシステムに取り込むことでOKとなっています。さらに2021年にはこれまで電子データで保存を行う場合、税務署への申請が必要でしたが不要となりました。そして2024年には電子取引に関する電子保存が完全に義務化されるため、早いうちに取り組もうとしている企業が増えています。

電子帳簿保存法の保存方法と対象になる書類

国税に関係する書類が電子帳簿保存法の対象となりますが、書類によってそれぞれ保存方法が変わってきます。保存方法は3種類あり、コンピューターで作成した帳簿や書類をそのまま電子データとして保存する「電子帳簿等保存」、紙で受け取った請求書などを保存する「スキャナ保存」、電子データで送付された注文書や契約書を保存する「電子取引」です。

保存方法内容対象書類
電子帳簿等保存コンピューターで作成した帳簿や書類帳簿(仕訳帳、総勘定元帳など)
決算関係書類(賃借対照表、損益計算書、計算、決算に関して作成されたそのほかの書類など)
スキャナ保存紙で受け取った書類重要書類(契約書、請求書など)
一般書類(見積書、注文書など)
電子取引電子的に送受信した書類電子メールで送受信した請求書
システム上で締結した電子契約書 など

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電子帳簿保存法に対応する際の注意点

2024年には義務化される電子帳簿保存法には、保存の仕方にもいくつか注意点があります。ここからは、その一部を紹介します。

スキャナ保存のグレースケールは一般書類のみ

見積書や貨物受領書といった一般書類は、グレースケール(モノクロ)で取り込んで保存が可能です。しかし、請求書や契約書といった重要書類はカラーでスキャンまたは撮影しなければなりません。

スキャン時に原本の大きさを変更しない

複数ページにわたるA4の書類を横に並べてA3サイズでスキャンし保存するといったことはできません。複数ページある書類は、複数回に分けて取り込みましょう。

スキャンした書類はすぐに破棄しない

読み取った書類がサイズ違いで保存されてしまったり、約2か月の入力期間を過ぎてしまったりした場合は紙での書類保存となります。そのほか定期的な検査で不備があった場合、原本が必要になることもあるため破棄するタイミングには注意が必要です。

電子データの検索要件

電子データやスキャンしたデータを保存する場合は「取引年月日」「金額」「取引先」で検索できなければなりません。データ作成時にはファイル名のつけ方に注意したり、データの内容が検索条件で素早く検索できるようなシステムに保存したりする必要があります。

電子取引の書類は出力保存しない

電子メールできた請求書や契約書は、これまで出力して紙で保存することができましたが、2022年の法改正により認められなくなりました。これらの保存方法に対応している会計サービスを利用するか、使用しているシステムで適切に保存・利用できるようにしておきましょう。

電子帳簿保存法に対応したAI OCRアプリ

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まとめ

電子帳簿保存法の概要と保存方法について、解説しました。内容については、一部の紹介です。スキャナの解像度などが指定されているなどほかにも細かく指定されている事項もあるので、取り組む前に国税庁のホームページで確認しておくのが良いでしょう。また、従業員にもある程度の内容を周知してもらい全社で取り組めるようにしてみてください。

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