多くの紙資料をAI JIMY Paperbotで効率化 デジタル化して分かった「データ共有の利点」とは
AIによる業務効率化に注目が集まる中で、データ活用の重要性が再認識されています。そして、データ活用に不可欠なのがアナログデータのデジタル化です。
三重・愛知・岐阜を中心に住宅建材全般の卸売業を手がける株式会社セイワは、大量の紙業務に悩み、アナログデータをデジタル化して業務を効率化したいと考えていました。そこでAI JIMY Paperbotを導入した結果、同社はひと月当たり3,500〜5,000枚に上る紙の売上データを確認する業務の大幅な効率化に成功します。他にもひと月当たり500〜600枚に上る発注書の入力業務や地域データの回覧業務をAI JIMY Paperbotで効率化し、大きな成果を上げています。
プロジェクトを担当された松本 武則様(総務経理部 係長)は、「紙をなくすことでかえって手間が増えるようでは意味がありません」とおっしゃいます。対象業務の見極め方や効率化による具体的な効果、効率化で成果を上げるために必要なことについて松本様にお聞きしました。
月に1度の打ち合わせで実現したいイメージが明確に
―AI JIMY Paperbotに興味を持ったきっかけを教えてください。
松本氏:当社は紙を使う業務が多く、以前からデジタル化に取り組まなければならないと考えていました。そんなときにある業者様から、「そういえばこんな面白いツールがあるんですよ」と言って、AI JIMY Paperbotを紹介してくれたんです。説明を聞いて興味を持ち、一度オンラインで話を聞いてみることにしました。
―話を聞いてみていかがでしたか?
松本氏:正直なところ、2023年9月の最初のオンライン面談のときは、具体的な活用シーンを想像できなかったんです。しかしその後、月に1度のペースで打ち合わせの時間を取っていただけることになり、曖昧だったイメージが形になっていきました。
打ち合わせでは、実現したいイメージを思いつくままに話しました。話しながら気になったこと、例えば「例外処理への対応」について質問すると、丁寧に回答していただき、さらにイメージを実現するための複数のアイデアを提案していただきました。その中から自分の考えに近いものを選び、さらに気になったことを質問する、といったやり取りを繰り返すうちに、漠然としていたイメージが徐々に形になっていくのを感じました。
―頭の中のイメージを言葉だけで表現するのは難しいですよね。
松本氏:私が進めたい事柄について断片的に伝えると、担当の方が意図を汲み取って、足りない部分を補ってくれたので非常に助かりました。ここまで親身になって話を聞いてくれるのであれば、信頼して色々と相談できると思いました。
打ち合わせを通して、AI JIMY Paperbotを実際の業務に活用し、費用対効果を出せると思い、2024年2月に導入を決めました。
デジタル化で社内データの共有が可能になり、経営戦略に生かせるように
―AI JIMY Paperbotでどのような業務を効率化していますか?
松本氏:社内データの確認業務と発注書データの入力業務、地域データの回覧業務などを効率化しています。
当社は三重と名古屋に複数の営業所があり、これまでは各営業所が物件ごとの社内データを紙に出力してホチキスで留め、社内便で本社に送っていました。本社に届いた社内データは、利益率が良いものと悪いものに分類され、必要事項を確認し次工程へとまわします。
当社はメーカーの販売システムを利用しているのですが、システム上では物件ごとに現場の利益率を見るのが難しく、紙に出力して一枚ずつ確認する方法をずっと続けていました。物件数はひと月当たり約1,000件で、紙の社内データの枚数は3,500〜5,000枚に上ります。
現在は物件ごとの社内データをPDF化し、AI JIMY Paperbotで現場名など各データを抽出してExcelに転記し、パソコンなどのデバイス上で確認からフィードバックまでを実施しています。
これによって、社内データの出力からデータ回覧までの一連の業務が効率化されました。これまでは、全ての社内データが本社に届くまでに数日から1カ月かかっていたのですが、デジタル化によって迅速にデータを共有して確認できるようになりました。また、場所を選ばずに必要なデータを確認できるようになり、フィードバックまでの時間が大幅に短縮されました。
―それは、データを経営戦略にも生かせるようになったということでしょうか?
松本氏:タイムリーに必要なデータだけを一覧で見られるようになり、改善点を明らかにしてアクションを起こすまでの時間が以前と比べて格段に短くなったため、そういった面はあると思います。
また、今回の効率化によって、慣習化していた作業を見直すこともできました。例えば物件毎の社内データには仕入れ先の見積書のデータが添付されており、これまではデータが間違っていないかどうかを逐一確認していたのですが、効率化を機にこの作業を廃止しました。
―発注書データの入力業務や地域データの回覧業務の効率化についても教えてください。
松本氏:当社は住宅関連の商材を発注してお客様に納品しており、発注書はひと月当たり500〜600枚に上ります。これまでは、人が発注書を見ながら必要なデータをExcelに入力していました。
現在は、AI JIMY Paperbotで発注書からデータを抽出し、CSV形式で出力し、確認して間違いがあったら修正し、データをコピーしてExcelにペーストしています。入力作業がなくなり、作業の担当者からは、「以前は入力データが多すぎて大変でしたが、非常に楽になった」という感想を聞いています。
地域データの回覧業務は、業務に必要な地域データを該当する部門ごとに回覧する業務です。これまではデータが記載されている冊子をPDF化し、部門ごとのデータを作成する必要があったのですが、AI JIMY PaperbotでPDFからデータを抽出してExcelでリスト化したことで、部門ごとに分けてデータを作成する必要がなくなりました。
これまでは1日かかっていた作業が大幅に短縮され、作業の担当者からは、「手間の掛かる作業が軽減され助かります」という感想を聞いています。
デジタル化してデータを共有すると仕事の効率は格段にアップする
―AI JIMY Paperbotは、オンラインでカスタマーサポートを受けられる点が特徴です。どのように活用しましたか?
松本氏:効率化の手順が分からなくなって混乱していたときにアドバイスをしていただいたり、抽出したいデータをうまく抽出できないときに方法を教えていただいたりしました。オンラインで相談すると、基本的にその場で回答してもらえることがほとんどでした。
また、私が「こんなことができたらいいんですが」と相談すると、担当の方が相談内容に合わせてAI JIMY Paperbotの機能を変更してくれたこともありました。そこまでしていただけるとは思っていなかったので驚きました。
特にありがたかったのは、環境を構築していただいたことです。新しいツールの導入は、最初の設定が特に面倒ですが、日常業務があるのでそこまで時間や手間をかけられません。設定を代行していただいたことで利用のハードルが下がり、とても感謝しています。
―AI JIMY Paperbotを選んでいただいた背景には、こうした対応もあったのでしょうか?
松本氏:他のAI OCR製品も幾つか検討しましたが、色々な点でAI JIMY Paperbotを選択してよかったと思っています。良いツールに巡り合えて運がよかったです。製品について正しく理解している、頼りがいのある担当者の方と一緒に、業務効率化を楽しく進められたと思っています。
―今後、AI JIMY Paperbotでどのような業務を効率化していきたいと考えていますか?
松本氏:現場が楽になる業務です。デジタル化は、ただ紙をなくせばいいわけではありません。紙をなくすことでかえって手間が増えるようでは意味がないので、これまでと同様にシー・システムの担当の方に相談しながら、確実に効果が出る業務を選んでいくつもりです。
―大量の紙業務に悩む同業者に向けてアドバイスをお願いします。
松本氏:デジタル化で一番大変なのは、ツールの導入初期です。社内・社外を問わず、有能なスタッフの方を巻き込みながら進めるのがいいでしょう。
デジタル化する前は、案外メリットを想像できないものです。しかし紙をデジタル化してデータの共有が容易になると、思った以上に仕事の効率が上がるのは事実です。このことをうまく想像できれば、最初のハードルが少々高くても「やってみよう」という気持ちになるのではないでしょうか。
紙をデジタル化してデータを共有すると、「あれもしたい」「これもできるのでは」と自然と考えるようになります。現在、デジタルに強い社内のスタッフと一緒にさらなる効率化について試行錯誤しているところです。ある程度時間はかかるかもしれませんが、着実に進めていくつもりです。
―本日はお忙しいところ、貴重なお話をありがとうございました。