業務の7割を削減!請求書のデータ入力を自動化【住化農業資材】

住化農業資材

AI JIMY Paperbotで請求書業務を自動化 担当者が「理想的なAI OCR」と話す理由とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の第一歩となるのがアナログデータのデジタル化です。そのための手段としてAI OCRが注目を集めています。

大阪に本社を置く住化農業資材は、各種農業資材の開発から販売までを手がける住友化学グループの農業資材メーカーです。一般の農家から大手企業まで幅広い層の顧客を抱える同社には日々大量の注文書や納品書、請求書がFAXや郵便で届き、特に月末にまとめて届く請求書の入力業務が課題となっていました。そこで請求書データをAI JIMY Paperbotでデジタル化し一連の業務を自動化した結果、請求書業務の約7割の削減に成功しました。

自動化を担当された長村功史様(システムグループ グループリーダー)は、「AI JIMY Paperbotは私にとって理想的なAI OCRです」とおっしゃいます。長村様にAI JIMY Paperbot導入の背景や成果、今後の業務自動化についてうかがいました。

目次

請求書業務を自動化する目的でAI JIMY Paperbotを導入

住化農業資材

―貴社がAI JIMY Paperbotを導入することになったきっかけについて教えてください。

長村功史氏(以下、長村氏):業務自動化の範囲を広げたいと考えたことがきっかけです。当社は以前からRPA(Robotic Process Automation)による業務の自動化を進めており、自動化の範囲を拡大する目的で2018年頃にAI OCRの導入を検討しました。しかしメーカーから紹介された製品はコストが高く、当時は諦めるしかありませんでした。

その後さらにRPAによる自動化を進める中で「これ以上の効率化を進めるにはやはりAI OCRの導入が必要だ」との結論に達し、低コストで利用できる製品を探し始めます。そしてAI JIMY Paperbotの旧製品であるAI JIMY OCRを見つけ、2022年5月に導入を決めました。

AI JIMY OCRの機能を充実・拡張したAI JIMY Paperbotが2022年9月に発売されたのに伴い、発売とほぼ同時期にAI JIMY Paperbotに乗り換えて現在に至ります。

―なぜAI OCRの導入が必要だと考えられたのですか?

長村氏:大量の紙業務、特に請求書業務を自動化するためです。当社のお客様は一般の農家から大手企業までと幅広く、注文書や納品書、請求書のほとんどが紙です。デジタルデータは全体の5%未満と数えられる程しかありません。これらの帳票は、大阪本社の営業業務部や総務部の担当者が手作業で基幹システムにデータを入力しています。

その中でも特に担当者に負担がかかっていたのが、月末にまとめて届く請求書のデータを限られた期間内に入力して経費伝票を起票する業務です。この業務にAI OCRを適用して請求書データをデジタル化し、一連の業務を自動化したいと考えました。

導入の背景には、ほかにもコロナ禍で在宅勤務になりデジタル化の重要性を再認識したことや、電子帳簿保存法に基づく帳票のデジタル保存の義務化があります。FAXや郵送で届いた請求書をPDF化して所定のファイルに格納するだけで処理が完了すれば、在宅勤務中に出社する従業員を最小限にとどめることができます。また、電子帳簿保存法に対応していくためにも、読みたいフィールドを選べて明細まできれいに読み取れるAI OCRの導入が必要だと考えました。

―AI JIMY Paperbotには無料で使えるトライアル版が用意されています。トライアル版は使われましたか?

長村氏:はい。製品の操作感を確かめるために、シー・システム社のサイトからトライアル版をダウンロードして実際に使ってみました。試しに自分が所属するシステムグループ宛ての請求書を読み取ってみようと試行錯誤したところ、初めてにもかかわらず直感的な操作でワークフローを作成することができました。

トライアル版ではありましたが製品版と遜色のない機能が搭載されており、短い期間で請求書読み込み用のワークフローがほぼ完成しました。実際に動かしてみて問題なく稼働し、十分な効果が得られることが分かったため、導入を決めました。

―導入の決め手になった特徴について、「低コストで利用できる」点も含めて詳しく教えていただけますか?

長村氏:導入の決め手になった特徴は3つあります。1つ目はフィールドやページ単位で課金する料金体系ではなく低コストで利用できる点、2つ目は読みたいフィールドのみを指定できる点、3つ目は導入が容易な点です。

当社は現在、AI JIMY Paperbotのスタンダードプランを採用しています。スタンダードプランは月額5万円で利用でき、帳票の読み取り上限枚数は2,000枚です。請求書業務の自動化では毎月1,000枚前後の請求書を読み取っているため、他社製品のようにフィールドやページ単位で料金が課金されるプランではコストがかさんでしまいます。当社のように大量の帳票を処理する場合、読み取り上限枚数が2,000枚のプランを月額5万円で利用できるのは非常にありがたいですね。

読みたいフィールドのみを指定できる点、導入が容易な点はトライアル版を利用しているときに実感したことです。導入前に製品版とほぼ変わらないトライアル版を納得がいくまで試すことができたため、導入を決める際に迷いがありませんでした。

自動仕分け機能や充実したサポート体制が特徴

―自動化している請求書業務の一連の流れを教えてください。

長村氏:まず担当者が請求書をPDF化し、一つの決まったフォルダに格納します。フォルダにPDFが格納されると、当社がもともと利用していたSCSK社の「CELF RPAオプション」が起動し、AI JIMY Paperbotの請求書読み込み用のワークフローを実行します。ワークフローでは自動仕分けを行った後に請求データの読み取りを行い、データのCSV出力が完了するとRPAがAI JIMY Paperbotを終了します。

その後はRPAがデータの照合などを行い、必要なファイルを選別して基幹システムに入力します。そして入力が完了すると、起票済みの経費伝票と元のPDFファイルを所定のフォルダに格納し、担当者にメールで通知して完了となります。

―AI JIMY Paperbotの導入でどのような成果が得られましたか?

長村氏:担当者によっては請求書業務の7割程度が削減されました。その結果残りの入力業務を丁寧に行えるようになりミスが減ったほか、空いた時間を別の仕事に充てられるようにもなりました。残業がなくなり早く帰れるようになった担当者もいるようです。

社内の評判も上々で、システムグループ以外の部門からも「この業務をAI JIMY Paperbotで自動化したい」という声が継続的に聞かれるようになりました。

―活用する上で工夫した点があれば教えてください。

長村氏:どのAI OCR製品にも言えることだと思いますが、読み取り結果の確認と修正に工夫が必要でした。例えば請求書の金額に記載されているカンマを小数点だと認識してしまい、合計金額と一致しないためにデータ入力にまで進めない場合があります。

そこで、当社では後続のプログラムで金額のカンマと小数点を全て削除しています。最後に請求書の合計金額と経費伝票の合計金額が一致するかどうかを目視で確認しているのですが、今のところこの段階でミスがあったという話は聞いていません。

―実際に使ってみて、特に便利だった機能やサービスを教えてください。

長村氏:取り込んだ帳票を自動で仕分ける「自動仕分け機能」です。この機能はAI JIMY Paperbotになってから搭載されました。以前は請求書の種類ごとにデータを格納するフォルダを分ける必要があり、担当者は数百のフォルダの中から適切なフォルダを見つけなければなりませんでした。しかし今では自動仕分け機能のおかげで、数百種類の請求書をほぼ間違いなく仕分けられるようになりました。

ただ当社の場合、取引先が同じで起票先が異なる請求書が存在するため、自動仕分け後に専用のプログラムを組んで起票先別の仕分けを行っています。

また、シー・システム社の技術サポートの皆さんは、私のあらゆる意見を真剣に受け止めてくれます。何より対応が迅速で、本当に助かっています。

どんな質問にも丁寧に回答してくれますし、困っていることをうまく伝えられなくてもこちらの意図をくんで適切な対応をしてくれます。例えば製品を利用する過程で何度も機能が追加され、希望した新機能の追加も相談にのってくれるほどです。私の感想になりますが、大手OSベンダーや大手SIerの保守担当者の対応とは一線も二線も画したサポート体制であることは間違いありません。

今後は適用業務を拡大し、事務作業のさらなる効率化を図る

―今後、業務自動化をどのように進めていく予定ですか?

長村氏:もはやAI JIMY Paperbot抜きにして、当社の業務自動化は考えられません。今後はAI JIMY PaperbotとRPAを利用して、社内における製品の倉庫間移動の際に必要な、伝票の読み取りとデータの入力業務を自動化するつもりです。また、入力した伝票と紙の資料の照合も併せて進める予定です。

さらに受発注業務も自動化できるかどうか調査中です。さまざまな形式で届く注文書や受領書のデータをAI JIMY Paperbotで読み取ることができれば、既存の受発注業務が大きく変わるきっかけになると考えています。

「操作に手間がかかる」「コストがかさむ」などの理由でAI OCRの活用が進まないことがあるようですが、AI JIMY Paperbotは私にとって理想的なAI OCRです。初めてでも直感的に操作でき、必要なデータをほぼ正確に読み取れます。何より低コストで利用できる点がポイントです。顔が見える技術サポートの皆さんに常に迅速に対応してもらえる点も心強いですね。

AI JIMY Paperbotがあれば、現場の担当者が持つノウハウを最大限に活かしつつ業務の在り方を変え、今後さらに懸念される人材不足にも対応できるのではないか。そう期待しています。

―本日はお忙しいところ貴重なお話をありがとうございました! シー・システムは今後も住化農業資材様のご意見を基にして、製品やサポートのさらなる改善を進めてまいります。

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