AI OCRで業務革命!1ヶ月の棚卸業務を1週間に大幅短縮【カヤバ株式会社】

カヤバ株式会社

わずか2日で環境構築!スピーディーな対応と「現場担当者が1日で操作方法を習得できる」容易さが採用の決め手に

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴い、急な業務変更に対応しなければならないケースが増えています。

カヤバは世界23カ国に生産・販売拠点を展開する、総合油圧機器のリーディングカンパニーです。同社はこれまで期末日の1カ月前を基準にして実施していた棚卸を期末日棚卸に変更することになり、一連の棚卸業務の期間を1週間に短縮する必要がありました。

プロジェクトを担当された秋元泰史様(デジタル変革推進本部 システム開発室 専任課長)が調査したところ、既存のOCRの読み取り精度が低く在庫データの入力に時間がかかっていることが判明しました。そこでAI OCRの導入を検討し、AI JIMY Paperbotを採用した結果、準備期間が3カ月しかない状況で半期末における棚卸業務の期間短縮に成功しました。

秋元様にAI JIMY Paperbotを導入した背景や採用した理由、効率化の成果についてうかがいました。

目次

1カ月の棚卸業務を1週間に短縮することになり、AI JIMY Paperbotを導入

―AI JIMY Paperbotを導入した背景を教えてください。

秋元泰史氏(以下、秋元氏):2023年4月に棚卸作業の実施時期の変更が決まり、棚卸業務にかける時間を大幅に短縮する必要がありました。その対策としてAI OCRの導入を検討し、AI JIMY Paperbotの採用を決めました。

当社は会社の規模が大きく棚卸評価に時間がかかるため、これまでは期末日1カ月前の2月末や8月末を基準にして棚卸作業を実施し、残りの1カ月で棚卸評価を行っていました。これを会社方針で期末日棚卸に変更することになり、棚卸評価を含めた一連の棚卸業務を1週間に短縮することになりました。

棚卸業務はまず、従業員が紙の棚卸リストに在庫数を手書きします。従来は、その棚卸リストを見ながら入力担当者が基幹システムに在庫データを入力していました。しかしデータ量が膨大で入力にかなりの時間を要してしまうため、当社の最大拠点であり、ショックアブソーバーを生産する岐阜地区の工場(以下、SA)では、入力時間を減らす目的でOCRを活用していました。私は上司の勧めもあり、2023年6月上旬から既存のOCRを他の工場にも展開できるかどうかの調査を開始しました。

調査の結果、OCRの文字認識精度は26.6%であり、SAでは修正も含めた在庫データの入力に2.5日かかっていることが明らかになりました。これではその後の棚卸調査の時間が十分に確保できません。SAの生産管理部からも、「在庫データの入力時間を1日短縮し、減らした分の時間を棚卸調査に充てたい」といった声が上がりました。

OCRの文字認識精度の低さが入力時間短縮のハードルになっていると考えた私は、文字認識精度の高いAI OCRを新たに導入しようと考えました。そこで複数のAI OCR製品を比較検討した結果、AI JIMY Paperbotの採用を決めました。

手書き文字の認識精度の高さやすぐに導入できる点が採用の決め手に

―多くのAI OCR製品の中からAI JIMY Paperbotを選んだ理由を教えていただけますか?

秋元氏:手書き文字の認識精度が高く、すぐに導入できる点が採用の決め手になりました。また、開発が不要であり、運用までをカバーしている点に加え、導入しやすい料金体系も魅力でした。

AI JIMY Paperbotを知ったきっかけは、AIポータルメディア「AIsmiley」です。掲載されている情報を見て興味を持ち、まずはオンライン面談で話を聞いてみることにしました。オンライン面談では対象業務が効率化できるかどうかを確認し、実現できそうだと思ったため、アカウント登録をして無料トライアルを開始しました。

無料トライアルは、早期かつスムーズな導入に非常に役立ちました。特に感心したのが、面談の2日後にはこちらが打診したプロトタイプが利用できる状態になっていたことです。当時は9月末の半期末に向けて、準備期間が実質3カ月しかない状況でした。そんな切羽詰まった状況の中、当社のさまざまな要望をたった2日で実現してもらい、理想的なAI OCR製品に巡り合えたと思いました。

AI JIMY Paperbotは自社専用の機能を新たに開発する必要がありません。これは現場の入力業務を想定して設計されているということであり、本当に素晴らしいと思いました。

―AI JIMY Paperbotは、使いたいときにすぐに利用を開始できる点が特徴です。実際に使ってみていかがでしたか?

秋元氏:動画を利用したツールガイドが丁寧で、機能の利用方法がイメージしやすく、プログラミングの知識がない現場担当者でも1日あれば操作方法を習得できると思いました。また、文字認識に関しては「間違っても仕方がない」と思うケースしか間違えず、「これはいい」と思いました。

今回は急な業務変更で予算の申請が間に合わなかったこと、複数拠点での利用を想定していたことがあり、できるだけ低コストで導入できる製品を探していました。オンライン面談で料金について尋ねると、1ユーザーあたり月額6万円という価格と使う月だけ料金を支払うサブスクリプション形式を提案され、「これだ」と思いました。

ただ、当社のセキュリティの関係でMicrosoft Storeからのインストールができず、この点で少し苦労しました。ですが担当の方がすぐにインストーラを送ってくださり、テストを開始することができました。セキュリティ制限によるロスがなければ、もっとスムーズに導入できたでしょうね。

入力時間が短縮されて他の業務に注力できるようになり、属人化も解消へ

―AI JIMY Paperbotで効率化している業務の一連の流れを教えてください。

秋元氏:まず、在庫数を記入した棚卸リストを複合機で読み取り、PDF化します。次にPDFデータをAI JIMY Paperbotで読み取りCSV化し、バッチ処理でファイルを結合します。その後データを基幹システムに転記し、最後に目視で全数確認をするという流れです。

今回はSAの他に、関連会社であるカヤバモーターサイクルサスペンション(KMS)と岐阜地区の工場である南油機、神奈川県の工場である相模油機の計4拠点でこの仕組みを導入しました。

―これまで手入力だった在庫データの入力を全てAI JIMY Paperbotで効率化されたのでしょうか?

秋元氏:棚卸リストには、全て手書きのものと品番が登録済みで数量だけを手書きで記入するものがあります。今回、AI JIMY Paperbotでデータを読み取ったのは後者です。AI JIMY Paperbotの導入で全体の6割を占める後者の効率化に成功したため、削減した時間で前者の入力に注力できるようになりました。

―AI JIMY Paperbotの導入で他にどのような成果が得られましたか?

秋元氏:SAでは、15人で終日実施している在庫データの入力時間を1日短縮することに成功し、他の2拠点でも0.5日の短縮を実現しました。AI JIMY Paperbotの文字認識精度は84~94.1%と一様に高く、文字認識精度の高さが入力時間短縮に貢献したと考えています。入力の負荷を減らすため、これまでは外部に依頼してデータ入力のスペシャリストを派遣してもらっていたのですが、その人数を減らすこともできました。

また、これまでSAではPDF化した4万件ものデータを、2人の従業員が全て目視でチェックしていました。チェックは修正も含めて2日で実施していたのですが、AI JIMY Paperbotの導入でこの作業がいらなくなり、担当者から「導入してくれてよかった」と言われました。この言葉を聞いたときは本当に嬉しかったですね。

―2人で4万件ものデータを目視で確認し、2日で修正まで行っていたのですね。他の拠点には展開できないはずです。

秋元氏:はい。この2人のおかげでSAでの棚卸業務が成り立っていました。AI JIMY Paperbotの導入でチェックと修正の時間を削減することに成功しました。おかげで属人化が解消でき、他拠点への展開が可能となりました。

次回の棚卸業務にもAI JIMY Paperbotを活用する予定

―実際に使ってみて、特に便利だった機能やサービスはありますか?

秋元氏:表抽出機能です。この機能のおかげで1時間半ほどで帳票定義が完了しました。操作も簡単ですし、この機能がなければ設定に多くの時間がかかっていたと思います。

帳票の自動仕分け機能も運用を楽にする機能だと思いました。今回は利用するシーンがありませんでしたが、繰り返しの業務運用が固まってくると、ないと業務ができない機能だと思います。

また、特に担当の方の技術サポートが素晴らしかったです。全てオンラインでのサポートでしたが全く問題なく、分からないところがあるとすぐに画面共有をしてアドバイスをしてくれました。説明が丁寧で不明点にスムーズに対応してくれましたし、アドバイスのポイントも的確でした。今回のプロジェクトが成功したのは、担当の方の技術サポートのおかげだと言っても過言ではありません。

担当の方は、読み込んだデータを思うように基幹システムに取り込めないときには、RPA(Robotic Process Automation)で自動化するフローを作成するなど、状況に応じて臨機応変に対応してくれました。今回このフローは採用しませんでしたが、時間に余裕があれば活用できたかもしれません。

―今後はAI JIMY Paperbotをどのように活用していく予定ですか?

秋元氏:今回実施した4拠点では、次回の棚卸でも継続してAI JIMY Paperbotを活用する予定です。各拠点から「処理スピードを上げてほしい」という要望が出ており、現時点では読み取り項目を減らして対応しようと考えています。

―シー・システムはカヤバ様のご意見を参考に、さらなる使いやすさを目指して改善を進めてまいります。本日はお忙しいところ貴重なお話をありがとうございました!

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